「アフターダーク」以来の長編、1Q84を読み終えました。
なんかバカ売れしてるみたいですね。
100万部。100万部というのは少なくとも悪いことのようには聞こえない(やれやれ)


ネタバレあるよ!













いい?














今回は「海辺のカフカ」のよーな交代制(?)小説となっております。
カフカくんとナカタさん(あるいはホシノさん)の物語が交互に進められていったカフカに類しまして、
今回は天吾くんと青豆さんの物語です。

序盤の二人の導入部。
なにやら謎めいた仕事に就いている青豆さん。
反対に、小説家のタマゴとして塾の講師をしながら文筆業界という超実際的な世界に身を置く天吾くん。
物語が音を立てて動き始めるのは、ふかえりという17歳の女の子が書いた(実際は書いてない。口述した)
「空気さなぎ」という物語が出てきてから。
天吾くんとふかえり、そして編集者の小松は供託し、小説としては未完成だった「空気さなぎ」を
小説として完成させ、発表する。これが話の核の始まり。

自分にとって、加速度的にこの「1Q84」が面白さを増したのは、
青豆さんが「お方さま(あだ名の方ね)」だと判明するその瞬間。

―天上のお方さま、あなたの御名がどこまでも清められ、あなたの王国が私たちにもたらされますように。
―私たちの多くの罪をお許しください。私たちのささやかな歩みにあなたの祝福をお与えください。
―アーメン。

ここでようやく、天吾くんと青豆さんの物語は接点を見せるっす。
ここはすごかった。想像力と好奇心がめきめきと音をたてて動き出す瞬間です。
小説を読んでいて一番楽しい、気持のいい瞬間!

それぞれの物語の始まりとは違い、天吾くん編はどこかボヤーっとしたものに包まれていき、
青豆さん編はよりくっきりとした形を取っていくっす。
この青豆さん編の中盤以降がすごく切ない!
彼女にとっての人生、天吾くん、やらなければいけない仕事。
青豆さんはものすごくタフです。
「タフでならなければならない」と本人が強く自覚しているタイプのタフさ。
青豆さんはコトをやり遂げ、1Q84という世界から抜け出そうと試みるけど・・・。

村上春樹という作家が書く小説は2タイプあって、
ひとつは「ダンス・ダンス・ダンス」のような「僕」のお話。
もう一つが「ねじまき鳥クロニクル」を始めとする「僕と誰か」のお話。
ねじまき鳥以降はカフカも、スプートニクもこういうタイプっすね。
意図的にスタイルを変えたんだと思うけど、もうダンス~みたいなのは書かないんでしょうかね。

正直言って、今回の長編には大きな、今までに村上春樹という人の小説を読んできて覚えたことのない、
とても大きな不満があるっす。




ここで終わりはないだろう!


確かに物語はひとつの決着のかたちを見せたのかもしれない。
だけど、留保事項が多すぎる!
青豆さんは?さきがけ・牛河は?天吾くんは青豆さんに会えたのか?
ふかえりはどうなったのか。小松さんはどこへ行ってしまったのか。
アザミなんて一言もしゃべってない。出てきてすらいない。
これは今までにない終わり方ですね。きっと。
続きないのかなー。ないだろうなー。くそ。
青豆さん、切ないなー・・・。どうか天吾くんに会えますように。

と、こういう嬉しい不満はあるけど、間違いなく面白いっす。
いやー、小説って、本当にいいですね。それではまた(ry