『お~いお茶』の伊藤園が「お~い」に続く商品名をいろいろ商標出願していた件
(ロケットニュース24 2016.04.06)
記事タイトルと画像だけを見ると、あたかも伊藤園が「おーい写真立て」、「おーいタイプライター」等、数々の出願をしたように思えますが、そうではありません。
記事を読むとわかりますが、商標は「おーい」、指定商品(商標を使用する商品。商標権の権利範囲となる商品。)を「写真立て」や「タイプライター」等とした出願がされていた、ということです。
伊藤園は、世界で初めて「缶入り煎茶」を発明。「お~いお茶」についても1989年から使用しているそうです。CMも大々的に放送し、海老蔵さんが「お~い、お茶。」と語る声も、容易に思い出されます。
そんな伊藤園が長年大事にしてきた「お~いお茶」ブランドだからこそ、改めて「おーい」単独で出願をしたのだと思います。
なお、実際に、「おーいコーヒー」(登録第5053775号)や「おーいお茶づけ」(登録第5315087号)、「おーいお酒」(登録第5461690号)などを、伊藤園以外の権利者が商標登録しているという現状もあります。
本件伊藤園の「おーい」が登録されれば、類否は別として、今後、「おーい○○(○○内は商品・役務の普通名称)」を出願した場合、審査において、本件伊藤園の「おーい」を引用商標(類似する先登録商標)として、拒絶理由通知が出される可能性もあると思います。
意見書(反論の文書)を出すのにも手間がかかりますし、代理人に依頼すれば費用もかかりますので、前記「おーい○○」のような出願の権利化を阻止できる可能性があります。
また、記事内にもある通り、商標登録されれば、公報が発行されますので、他者の「おーい○○」の使用の牽制にもなるでしょう。
伊藤園は、最近導入されたばかりの新しいタイプの商標、「色彩のみからなる商標」も出願しており、ブランド保護意識の高い企業。
(商願2016-7918号。指定商品は、第30類「緑茶」など。)
商標「おーい」は、指定商品が広いので、審査に時間がかかると思いますが、今後が気になる商標の一つですね。
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