
福岡で助産師として2500人以上の赤ちゃんを取り上げてきた
内田美智子さんが、生教育の講演で思春期の子供たちに、
『ここにいること自体がすごいことなんだ』
『人はそこにいるだけで価値がある』ということを分かってほしいと、
20年以上生教育を行ってきた中、
ある日、熊本の小学校で内田さんとまた違った立場から「いのち」について話されていたのが、食肉加工センターに勤めていた坂本義喜さんでした。
そのときの坂本さんのお話をもとにしてできたのがこの本だそうです。
(あとがきより)

食肉加工センターで働く坂本さん。
坂本さんはこの仕事がずっといやでした。
“牛を殺す人がいなければ、牛の肉はだれも食べられません。
だから大切な仕事だということは分かっています。
でも、殺される牛と目が合うたびに
仕事がいやになるのです。
「いつかやめよう、いつかやめよう」
と思いながら仕事をしていました。”
ある日、坂本さんは小学生の息子しのぶ君の授業参観へ行くことに。
“授業参観は、社会科の「いろんな仕事」という授業でした。
先生が子供たち一人一人に 「お父さん、お母さんの仕事を知っていますか?」
「どんな仕事ですか?」と尋ねていました。”
しのぶ君の番になり、自分の仕事についてあまり話していなかった坂本さんが不安に思っていると、
「普通の肉屋です。」 と無難に答える息子。
なんとも言えない気持ちになる坂本さん。
この日、後から家に帰ってきたしのぶ君が急に、
「お父さんが仕事ばせんと、みんなが肉ば食べれんとやね。」と言い出し、
坂本さんが不思議に思って聞くと、学校の帰り際に担任の先生との会話で、
“「坂本、何でお父さんの仕事ば 普通の肉屋て言うたとや?」
「ばってん、カッコわるかもん。 一回、見たことあるばってん、
血のいっぱいついてからカッコわるかもん」
「坂本、おまえのお父さんが仕事ばせんと、
先生も 坂本も 校長先生も 会社の社長さんも 肉ば食べれんとぞ。
すごか仕事ぞ」”
と言われ、「お父さんの仕事はすごかとやね」と思いなおす息子。
この後からが本題なんですが、克明に書くとただのネタバレになってしまうので、
要所だけ。
坂本さんのセンターにやってきた、牛のみいちゃんと飼い主のおじいちゃんと女の子。
“「坂本さん、みいちゃんは、この子と一緒に育ちました。
だけん、ずっと、うちに置いとくつもりでした。
ばってん、みいちゃんば売らんと、この子にお年玉も、クリスマスプレゼントも買ってやれんとです。
明日は、どうぞ、よろしくお願いします」”
そして、みいちゃんがお肉になるまでのお話に、もう5年くらいは読んでるはずなのに、何度読んでも涙が出ます。
一つ前の記事のどうがはりはりで、この本の朗読会の動画を貼ってますのでよかったら見てみてください。
また、この話の後に、佐藤剛史さんの《いただきますということ》というページがあり、
筑紫野市で有機農業をされている方や、大分で魚の養殖に予防接種を取り入れ、抗生物質の投与削減に成功された方、
おやつに炒り玄米や昆布といりこが出ているらしい有名な高取保育園の園長先生のお話などがあり、
食についていろんな視点で考えさせられる絵本です。
たくさんのごちそうに囲まれるこの時期だからこそ、ぜひ読んでほしい本です。
- いのちをいただく [ 内田美智子 ]

- ¥1,296
- 楽天
今は、子供さん向けの絵本や紙芝居にもなってるようです。
※今回の画像はすべて『いのちをいただく』より転載し、また、1部本文より引用させていただいております。




