若い頃、手を褒められた。綺麗な手だと言われてもその頃は何とも感じなかった。
今、自分の手を眺めるとあの頃の自分の手は綺麗だったと思う。残念ながら過去形。

いつのまにか歳をとった。
年齢の滲む手をしみじみと眺め、いつも付けているリングの上にしまい込んでいたリングを重ね付けした。
私の御守り。




貫禄の手に年季の入った指輪。

なかなか良いコンビだわね。

少し華やいだ手を眺めて幸せに浸る。



歳を重ねると共に控えめなんてのはすっかり無くなり、面の皮は厚く心臓には毛が生える。


思春期の頃はおばさんって生き物が嫌いだった。

今、自分がそのおばさんとなり世の中でおばさんほど素敵な生き物はないと思う。

この世の中を支えてきたのはおばさん達の底力だ。

縁の下の力持ち。


先はおばあちゃんになる訳だが、面倒くさい事は見えない目と聞こえない耳を持つ逞しいおばあちゃんになるとしよう。



隣の芝生が青かろうが茶色かろうがどうでもいい。

自分以上でもなく自分以下でもなく等身大で生きるのが心地よい。



自分のご機嫌の保ち方は自分が一番よく知っている。