
このお話は、何回か書こうと思ったのですが、私の自慢話のように聞こえてしまう可能性があるので、ためらっていましたが、今回書いてみることにします。主体は私ではなく、お話に出て来る人物(Kさん)です。
(お話がとても長いので、お暇な方だけ読んで下さいませ。m(__)m)
学生時代、映画『スティング』を観て、痛く感動しました。最後が大どんでん返しでスカッとするところ、映像がおしゃれなところ、音楽がスコットジョプリンのラグタイムだったこと。
特に、スコットジョプリンのラグタイムにハマってしまい、秋葉原だったか?に楽譜集を買いに行きました。(もちろんサントラ盤のCDも買いました。)
夏休みで実家に帰ったとき、自宅のピアノで早速練習です!曲はもちろん代表曲の『The Entertainer』(ジ・エンターティナー)です。
この曲です。
何日か練習してやっと全部覚えた頃です。(多分10日くらいして)覚えただけで、まったく上手く弾ける状態ではありません。スラスラ弾けるのを10段階にすると、まだ3くらいの状態です。
その夏休み中のある夜、地元のライブハウスに友人と行きました。ジャズ喫茶を大きくしたようなお店で、お客さんは私たちの他に2組くらい。ガラガラです。平日なので、演奏者は誰もいません。というか、特別なイベントのときしかライブはやっていなお店です。
その友人も私がラグタイムを練習し始めたことを知っていました。
友人だったか?お店のマスターだったか?が、私に「ピアノを弾け!」というわけです。ピアノはグランドピアノ、めっちゃ目立ちます!(笑)
マスターは、とても人使いが荒い人で(笑)、お店のクリスマスパーティーのときに、私は客で来ていたにもかかわらず、いきなりゲームの司会(進行役)をやらされたことがありました。(^^;(そのときはまだ学生ですからね!(笑))
なので、多分ピアノを弾けと言ったのはマスターだったかも知れません。

で、どうしてよりによって、まだまともに弾けない『The Entertainer』を弾くことになったのか?よく覚えていないんです。(^^ゞ
多分ですが、お店のマスターがピアノを弾けといって、曲の指定は友人だったかも知れません。「せっかく覚えたんだから、あれを弾けば?」みたいな。。。
私もまだ若い頃なので、調子に乗って「じゃぁやってみようか!」ってなったんだと思います。(^^ゞ
でも10段階で3のレベルなので、上手く弾けるわけがありません。途中でやめたくなったのを感じた友人が「頑張れ!頑張れ!」って声を掛けてくれたほどです。(笑)
この曲の構成は「A B A C D」という構成で、「C」の部分(動画の2:01くらい)は、CMや普通の演奏ではほとんど演奏されない部分なので、知らない人が多いと思いますが、私は一番好きな部分で、メロディーも柔らかいので、私は特に優しく弾きました。
そしたらです!私の前に座っていた、ライブのときによく見かけるおじさん(知人)が、「C」の部分を弾き始めた瞬間に「わぁ~優しいなぁ!」って言って下さったんです。
このおじさんもJAZZがとても好きな方でして、「この人たちは感性のレベルが違うかも?」と驚きました。嬉しくもありましたが。(演奏中のお話です。)

で、やっと最後まで弾き終わったときです。私の場所から見えない奥に座っていた、見たことがあるおじさん(Kさん)が、わざわざ私のところまで長い距離を歩いて来て、満面の笑顔で、両手で握手して下さいました。多分「良かった!」って言って下さったような。。。(^^;
感動がこちらに伝わるような握手だったです。
そのKさんは、後でお名前を知って、JAZZがとても好きな方だということを知りました。よくライブのときは見かける人でした。

それから10年以上経って、近年になってからです。
一番お世話になっているショットバーのマスター(Gさん)にお声を掛けて頂いて、マスターの家で二人で飲んだときのお話です。
GさんはプロのJAZZマンと交流がある方で、有名な方ともお友達のようで、お話に先ほどのKさんが出てきました。
Kさんは、何とあの有名なサックスのW辺〇夫さんとお友達らしくて、W辺さんが「カリ〇〇〇〇〇・シ〇〇ー」を作ったとき、W辺さんからKさんに電話があり、電話で「カリ〇〇〇〇〇・シ〇〇ー」を演奏されて「この曲どう?」って聞いて来られたそうです。で「いいんじゃない?」って言ったら新曲として使うそうになったそうです。(有名な大ヒット曲です。)
Kさんってそんな凄い人だったんだ!・・・もうね、私は冷や汗が出て来ました。('Д')
Kさんはカタカナの呼び名(ニックネーム)でみんな呼んでいまして、帰ってからネットで調べたら、JAZZファンの方々のサイトによく書かれていた名前でした。Gさんが言ったことはウソではないようです。(^^;
私はそんな凄い人の前でピアノを弾いたんかい?(笑)知ってたら絶対に弾いていないですね!(^^;
「わぁ~優しいなぁ!」って言ってくれたおじさんもKさんもJAZZがめちゃくちゃ好きな方で、やはり音楽が死ぬほどお好きな方って、上手いとかヘタとかじゃないレベルで聴いて下さるんですね。

でね、一番お伝えしたかったのが、Kさんが満面の笑顔で両手で握手して下さったときの感覚が今でも強烈に残っていて、私はその握手に感動してしまいまして、私の音楽生活の中でとても大きな出来事でした。
私のすべてを受け入れて下さった感じといったらいいのかな?そんな感じでした。
あんなドヘタな演奏のどこに感動して下さったのか?(笑)、多分あのレベルの人たちは、上手いとかヘタとかを越えた、演奏者の気持ちとかまで感じて下さっているんだと思います。
私が一生懸命に弾いた、その気持ちの部分だったのかも知れません。
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Kさんについてですが、Gさんのお話では、プロのJAZZマンの演奏でも、ちょっと手を抜いたような演奏だと「もっと気合を入れて弾け!」って怒鳴ることがあるそうで(笑)、演奏者の気持ちをパッと見抜く人らしいです。
私の場合は、学生だったし、ド素人なので、暖かい目で見て下さったのだと思いますが、そんな方が握手して下さったことを何年もしてから知って、もう冷や汗ものですよ!(^^; よく握手までして下さったものです。(^^ゞ
私の中の100のうちのたったひとつのいい分をちゃんと見て下さっている感じ、そんな感じなんだと思います。

あんなドヘタな演奏をちゃんと聞いて下さって、私の中のほんのひとかけらのいい部分を見つけて下さって、その部分を感じて下さったこと、凄い人がいるものです。そして、とてもありがたく思います。
演奏者の気持ちまで感じられる人が心から握手して下さったから、私も感動して、ずっと覚えていたんだと思います。
私が今でもピアノを弾こうとするのは、ひょっとしたら、あのときの感動があったから、というのがあるのかも知れませんね?(^^ゞ
Kさんには心から感謝申し上げます。こんな方、あまりいないです。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました。m(__)m
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