息子はおしゃれには無頓着だった。

通信制高校のときも専門学校のときもいつも黒無地のTシャツかトレーナーに

黒かカーキのシェフズパンツだった。

オシャレに黒でまとめてるというより、とにかく目立たないようにしているようだった。

 

若いんだし、校則もないんだし、もっと派手にすればいいのにと

私は思っていた。

 

そんな息子が最近、変わり始めたのだ。

いつ頃からだろう・・・

夏、バイトを本格的に応募するようになり、面接で好印象を持ってもらうよう

清潔感のある服を着た方がいいと私がアドバイスして

一緒に服を買いに行ったときだ。

 

それまでは私が着やすそうな服を選んで、色だけ息子に選んでもらう形式であった。

(たいてい黒なんですけど)

 

しかし、今回はなぜか息子は積極的であった。

自ら店内を歩き、物色している。

「これがいい」

まず、彼が選んだTシャツは黒ではなくバーガンディであった(ぎょえー!)。

そして、次に彼が選んだのが襟付きシャツであった。

白地に青のストライプ(めっちゃさわやか!)。

さらに、黒だけど、形がイマドキオシャレなシャツもお選びになった(ちょいチャラ?)。

 

え?

どないしたん?

 

「ボクの好きなアニメのキャラクターがこういう黒のシャツを着てて

それでいいなと思った」らしい。

 

なんか、「普通」の思春期少年やん。

 

 

そして、秋。

秋冬服も着古した真っ黒だったので、また買いに行った。

 

「ボク、コートも欲しいんだけど」

 

え?

ダウンあるやん。

 

「いや、ロングコートが欲しい」

 

ろんぐこーと?

 

ありました、ウール地の襟付き黒コート(大人っぽい)。

 

さらに(また)シャツを3枚ほど買った(どんだけシャツ好きやねん)。

 

最近、法事のために買ったブラックフォーマルに合わせて生まれて初めての革靴も買っていたのだが、

その革靴に合う普段着も欲しいといわれたものの

どんなんがええかおかあちんはわからんちん。

っていうか、どんだけ金使うねん!

 

「それはさ、バイト代入るようなったら自分で買いなさいよ」

と言うと

息子「それもそうだね。」

 

帰宅して、息子が早速コートを着て見せてくれた。(こんなことも初めてだよ)

「ええやん、かっこええ」と絶賛すると

「そうかなぁ」と言いつつ、まんざらでもない顔をしていた。

 

恐らく、例の息子の好きなキャラがこんなようなコートを着ているのだろう。

 

よくわからないけど、自分に自信がついてきたということなのかな?

これまでは「どうせ自分なんて」ってあきらめていたけど、「もしかして自分もあのキャラみたいに

なれるのかも」って思えたんちゃうかな?

 

私は母として、彼の変化がとてもうれしかった(お金はかかったけど)。

 

 

息子「早くコート着たいのになかなか寒くならない」

 

うん、そだね。

でも、バイトにはそれ、着ていけないよね。

 

あれ?

そういえば、今、バイト以外は吉野家に朝か昼食べに行くくらいしか外出てないよね?

え?

吉野家に行くためにそのコート、買ったん?

 

 

息子がウキウキしてオシャレコート着て、革靴履いて、吉野家に行く日が来るのも近い。

(それはそれでおもろい)