先週応募したやよい軒から連絡が来ることはなかった(なんでやねん、あほ)。

 

しかし、すっかりたくましくなった息子は、また新たに求人を見る。

そして見つけてきたのが高級鮨店の洗い場。

そこは勤務時間は土日の17時~21時のみ。

大好きなお寿司屋、得意な洗い場、そして当初希望していた週2日の勤務。

すべてが揃っていたため、息子はすぐに応募した。

 

これまでのチェーン店であれば、面接日入力までは自動送信でメールが来るのだが、

その鮨店はチェーン店ではないため、個別に面接日はいつがよろしいかと

メールが来た。これまでセンターに面接日を入力して送っても、現場に共有されてないことが

多かったので、この個別メール対応はポイント高い。

 

息子は木曜の14時を希望して、面接が決まった。

 

 

面接の前日の水曜、私は息子とネコカフェに行った。

なぜ、ネコカフェに行くことになったかというと、

先月、話の流れで

母「あなた、昔っから動物に興味なかったよねー」

息子「そうだっけ?でも、最近は犬とかネコの動画見てるよ。」

母「え?そうなの?じゃあ、今度ネコカフェ行ってみる?(ほぼ冗談)」

息子「うん、行ってみたい!(まじ)」

 

水曜はたまたま用事があって仕事は休みを取っていたので、用事を済ませた午後に近場のネコカフェに

息子を連れて行ったのであった(仲いいよね)。

 

息子はほんとに子供のころは動物にはまったく興味を示さなかった。

私はネコ好きなので、街でネコを見かけると駆け寄ってきゃーきゃー言いながら眺めていた。

その光景を離れたところで冷めた目で見ていたのが息子である。

 

その時は、よっぽど嫌いなんだなと思っていたが、息子曰く、

「だって、おかあちゃんのはしゃぎっぷりが恥ずかしくて近づけなかった」らしい。

だから別に嫌いなわけではなかったと。(え?私のせい?)

 

ともあれ、息子、ネコカフェデビューである。

ネコカフェどころか、ネコに触ったこともなかったのである。

 

いざ、にゃんこパラダイスへ♪

 

 

そこには10匹くらいのにゃんこがいた。

平日の昼間だったので、お客さんもまばら。

にゃんこもほとんど寝ている。

 

息子は自動販売機のホットココアを手に取ると、異常な熱さにパニック。

ネコちゃんにいたずらされないように紙コップに蓋をしないといけないのだが、

熱さと不器用さで完全にハマらず、飲むときにこぼれてきてさらにパニック。

まったくネコどころではない状態。

 

あー・・・こういうとこだよな、息子の不運って・・・

 

しかし、しばらくしてようやくココアを飲み切り、気持ちが落ちき始めた息子。

とはいえ、初めての場に緊張気味で、寝ているネコちゃんを眺める私の隣で遠くから眺めるだけの息子。

私があちこち歩き回ってネコちゃんを見て回っている間も、息子は最初に座ったベンチを動かず、

遠くから寝ているネコちゃんを無表情で眺めていた。

 

楽しんでるんかな?大丈夫かな?

 

私が別のベンチに座ってネコちゃんを眺めていると、息子が隣に座ってきたので、

息子にこのネコちゃんがどうのこうのとしゃべっていると、

突然、1匹の黒猫が私と息子の間にやってきた。

え?と思いつつ、ああ、この間を通り過ぎるのね、どうぞーと思って見ていたら

なんと、この黒猫ちゃん、当然のように、息子の膝に乗っったかと思うと、どかっと座り、安心したように

眠り出したのだ。

 

これには、私も息子もビックリである。

 

息子は、ネコを間近で見るのも初めてなのに、いきなり、膝に乗って来て、寝ちゃうってどういうこと??

 

この黒猫ちゃんの名前はグレ子。まだそこまで人馴れしてない新人さんらしい。

そんなグレ子がなぜ、息子の膝に??

 

しかし、息子は戸惑いながらもグレ子のぬくもりに心が温かくなっていた。

 

しばらく、ほんとにしばらくの間、グレ子は息子の膝の上で気持ちよさそうに寝ていた。

とはいえ、そこはネコカフェ。あと数分でタイムアウト、それを過ぎると延長料金が取られる。

ケチな私は焦り始めていた。

息子は「まあ、延長は仕方ないよね」と慣れた手つきでグレ子を撫でている。(あんたはお金払うことないからな)

 

私が内心困っていると、ようやくグレ子が起きて、息子の膝から降りてくれた。

そして、まだ離れがたい息子を急かして、なんとかギリギリ延長料金払わずに済んだのであった。

 

店を出ても、家に帰っても息子は「楽しかった。行ってよかった」を繰り返し、

私も息子がネコの魅力を知ってくれたことがうれしくて、親子の会話がグッと華やかになった(仲いいよね)。

このグレ子の何気ない行動が、我々親子に計り知れない幸せを与えてくれた。

 

そして、翌日の面接日を迎えた。

朝から「緊張する~」とそわそわ落ち着かない息子。

母「グレ子のことを思い出して!そうすればリラックスできるよ」

そうはげまして私は仕事に出かけた。

 

14時15分頃、仕事中だった私に息子からLINEが届いた。

「終わった。なんか採用らしい」

 

え?面接14時からでもう終わって、しかももう採用決定???

(ほんまか?ほんまなんか?だまされてるんちゃうか??)

 

 

帰宅して、話を聞くとこうだ。

 

時間通り店に着くと、スタッフさんがすぐに「ああ、18歳のバイトさんね」と

迎えてくれた。

さすが高級鮨店だけあって、スタッフが皆、強面のオジサンばかり(ザ・板前)で、しかも

皆、声がデカい(へい、らっしゃい!!)。

やさしく若いスタッフが多かった「はま寿司」と違い、息子はかなりビビったそうだ。

 

そして店長さんかどうかはわからないけど、かなり貫禄のあるオジサンが面接してくれた。

面接は簡単に終わり、「じゃあ合否は後日連絡するね」と言われたが、その後すぐにそのオジサンが

別のスタッフに呼ばれて奥でなにやら話していて、出てきたと思ったら

そのオジサンは、息子にこう言った。

「応募してきたのは君ともう一人の二人で、次にそのもう一人の面接だったんだけど、

急遽キャンセルになったから、君、採用です!」

 

 

え?

まったく予想していなかった展開に息子はパニック。

 

オジサンに「今週末から働けるか」と聞かれたものの、パニック&ビビッてしまっていた息子は

「来週の土曜から・・・最初の週は土曜だけで・・・あ、次の週からは土日出ますんで・・・」

とかなり弱気に答えたらしい。

 

息子「だって、怖かったんだもん」

 

でも、息子がうれしかったのは、スタッフ全員が自分が面接に来ることを知っていてくれたことだった。

これまで面接に行っても誰も聞いてないとか、担当者しか知らないところばかりだったので

スタッフ全員が「18歳のバイトさん」と待っていてくれていたことがうれしかったらしい。

 

「見た目怖かったけど、来週の土曜からって言っても、それでいいよって言ってくれたし。

最初はゴミ出しくらいからやってもらうからゆっくり覚えてね。とか、ちゃんといい人だなと思った」らしい。

 

 

悪くない。

息子の話を聞いてそう思った。

 

 

ひょっとして・・・あのグレ子が、幸運を呼んでくれたのかもしれない。

 

息子、20件目のバイト応募でようやく決まりました。

(普通こんなにかかる?)

 

バイト初日は来週土曜17時からです!