気難しいゾウさんは、トモダチもできないだろうと思っていた。

 

しかしある日、いつものように夕飯を食べながら今日あったことの

話を聞いていると、

終わり際、ボソッと息子が

「今日、ヒロシと一緒に松屋に行ってお昼食べたんだ」

 

母「え?ヒロシと?よかったね~」

息子「うん、バイトの給料が入ったから連れて行ってくれって言われて」

 

あの息子が、オトモダチとお昼を食べに行っただなんて(泣)

 

 

また別の日、ボソッと息子が言った。

「僕が学校で百均に行きたいって話したら、学校の近くに百均があるよって教えてもらって。

それでヒロシが自炊したいから弁当箱が欲しいって言うから、

僕が百均行けばあるよって言ったら、じゃあ一緒に行こうってなって、

明日、学校の帰りに行くことになった」

 

母「え?ヒロシと?よかったね~」

 

あの息子が、オトモダチと学校帰りにお買い物に行くだなんて(泣)

 

 

ヒロシとは、そもそも名前の順が近いため席も近くで話すようになったらしい。

出身は中国で8年くらい前に家族で来日したとか。

中国語、日本語、英語も堪能だそう。

大学を受験しようとしたけど、やりたいことを優先したいとこの専門学校に入ってきたらしい。

今は1人暮らしをしているらしい。

性格は聞いてる分には、明るくおおらかな印象。

 

ヒロシというのは名前の漢字を日本語で読むとそうなるからそう呼んでるらしい。

 

息子は、ヒロシ以外にも常に誰かと話しているようで

「いつも話す男子がいるんだけど、名前がわからないんだ。最初に名乗ってくれなくて

名札もつけてないし、周囲も彼の名前を呼ぶことがないから、未だに名前がわからない。

いまさら聞けないし。でも、向こうは僕の名前を知ってるんだ。」

 

なるほど。

特にあなたは人の名前にあんまり興味ないしね。

まあ、いつかわかるんやない。

 

 

授業でも、自分から先生に話しかけたり、実習で指名されて手伝わされたり、

(疲れたけど、楽しかったらしい)

昨日の授業は記者会見のシミュレーションで、インタビューする人、される人、

音声を録る人を交互にやるという内容で、とても楽しかったらしい。

 

 

楽ではないけど、自分の役割があって、それをこなして得られる達成感や充実感。

自分という存在を認めてもらえる安心感。

 

朝は眠いけど、学校に行けばトモダチがいるし、先生もいるし、授業も大変だけど楽しい。

 

息子はようやく自分の居場所を見つけつつあるのかな。

 

 

人間の世界も捨てたもんやないやろ?