あれから高校からようやく回答があり、息子も納得してコースを決めた。
面接練習も始めてがんばっていこうという前向きな気持ちになっていた。
それなのに中学の担任との三者面談で我々は気持ちをかき乱されることとなった。
前半はとってもスムーズだった。
コースも決まり、面接練習も頑張っているということ息子本人からハキハキと
報告していた。
しかしその後、入試の日程を聞いた担任が慌てた。
「そしたら、来週中に伝統の校長面接をしましょう!」と急に言ってきた。
そんな話は先月の三者面談でちらっとあったけど、その後まったく音沙汰無しだったので
中学は当てにせず、塾や高校でしっかりやろうと動いていたのだ。
それなのにいきなり「来週」である。
息子は即答で「やらないです」と答えた。
(他でもしっかり練習やるし、そもそも中学が嫌で不登校になったのにその中学のしかも校長に頼りたくないというのが彼の気持ち)
それでも担任は引き下がらず、長めの説教に入った。
「これは、これだけは、先生は絶対受けてほしい。これまでいろいろやらないやりたくないといわれて受け入れてきたけど、これだけは
受けてほしい。やりたくないというだけでやらないというのはわがままだし、何かをやり遂げることを体験してほしい。
強制ではないし、無理やりやらせることはできないけど、これだけは先生はやってほしいと思ってる」
「・・・・・・」息子は黙っていたので
「今決めなくてもいいから、一度うちでお母さんと話して決めてくれたらいいから」と宿題にした。
しかし私はすでに拓人は絶対に受けないだろうと確信していた。
私も受ける必要性をまったく感じなかった。
だって実際に受ける高校で事前にシュミレーションしてくれるのだよ。
これ以上リアルな練習はないでしょ。
よく事情がわかっていない最近赴任してきた校長にストレートに「なぜ不登校なのか?」と聞かれて話せるわけがなかろう。
今までまったくほったらかしにしていたのに、ここへきて、邪魔をしないでほしい。
せっかく前向きに進もうとしている息子の気持ちを乱さないでほしい。
一晩、1人で悶々と考えてもしこれで息子が「やっぱり受験したくない!」なんて言い出したら
どうやって責任を取ってくれるんだ!!そもそも受験することが最大の目標なのに
伝統だかなんだか知らないけどなんで中学の校長面接が最重要みたいに言うんだ!!と勝手に怒りが湧いてきた。
そこで翌朝、学校に電話して担任に思いを告げることにした。
鼻息荒く挑んだものの、
「息子は受けたくないと言っています」と言っただけで
「あ、そうですか。わかりました」とあっさり受け入れた担任。
「え?あ、あの、理由を言ってもいいですか?」と慌てて理由を話しても
「あ、はい、わかりました。」とあっさり。
え?
あの延々に説教してたんはなんやったん?
そういえば運動会のときも修学旅行のときも「お母さんからも説得してください!」みたいに
プレッシャーをかけておきながら、
「やっぱりだめでした」と恐る恐る報告すると
「あ、わっかりましたー」と軽く受け流されていたっけ。
なんなん?
自分が言うだけ言えばそれで結果どっちもでオッケーってこと?
他にも三者面談で
調査書を書くにあたって中学で頑張ったことや思い出を聞かれて
息子は「記憶がありません」と答えていたり
卒業アルバムは購入が選べるんだけどいる?と聞かれて
「いらないです」と答えたり
なんというか、そう聞かれればそう答えるしかないっしょという質問が続き
息子の気持ちがささくれ立たされてるのを感じて
残酷やなぁと思って聞いていた。もちろん、担任の立場として必要であることは
理解できるのだがしかし・・・なんとなく責められてる気持ちになるのは
被害妄想だろうか?
先生、息子は息子の意志で不登校にはなってます。
しかし、彼も好き好んで不登校になったわけではないんです。
と訴えたい気持ちになった。
面談の帰り道、息子がポツリと言った。
「僕、この制服を着るのも屈辱なんだ」
彼の負った心の傷はとても深く、不登校になっただけでは決して癒されないんだなと
改めて思ったのであった。