突然ですが、レストランで目の前の卓上にバケツが置かれたらどう思いますか?
師走、忘年会シーズンですね。
昨夜は、私が通い始めて2年になる牧野修代先生のウォーキングレッスンに参加しました。
先月に続き、前半は私が講師役を仰せつかり、毎朝やっている「朝エクサ111」を、皆さんにお伝えするコーナーです。
1部から6部のうち、前回は身体を寝かせた状態で行う1部をやり、この日は基本的に立って行う3部と4部を取り上げました。
薄いブルーのジャージに着替えた私は、早速、「壁を背にして、まっすぐ立ってください」と声をかけます。
すると、牧野先生をはじめ美女5人、この日私がご紹介して飛び入り参加したイケメン1人が、指示通りに動いてくれます。
これって、気持ちいいことですね。
「後頭部、肩、背中、お尻、ふくらはぎ、かかとがなるべく壁にぴったりくっつくように立ったら、鼻から息を吸い込みながらお腹を思いきり膨らませてください。そして今度は、口から息を吐きながら、お腹をうんと凹ませてください。イメージとしては、お腹が背中にぴったりくっつくくらいに思いきり凹ませるのです。これを、3回繰り返してください」
南青山の、天井の高い洒落たスタジオに、私の声が響きます。
「次に、そのまま身体の後ろを壁につけて、また鼻から息を思いきり吸うのですが、今度はお腹には入れず、お腹は凹ませたまま、胸だけに空気を入れてください。この胸式呼吸も、3回繰り返します」
この「3-1」「3-2」だけでも、皆さんの表情から、効いているのがわかります。
「3-3」「3-4」、4部の「4-1」から「4-17」。私の指示に忠実にやろうとする真剣さが伝わり、私もますます集中して手ほどきしていきます。
いかにインストラクターと受講者の共同作業で成り立っているのか、伝える側に回って初めて気付きました。
親指だけ立てて両手を左右に伸ばし、肘を曲げずに腕の付け根から前へ40回転、後ろへ40回転させる「4-13」「4-14」など、ちょっとハードな動きもあり、私の時間が終わった頃には皆さん汗をびっちり。目が輝き、表情が精気を帯びているのが印象的です。
後半は、牧野先生による、女性はエレガントに、男性はダンディーに歩くレッスン。
誰でも日常的にやっている「歩く」という動作が、やり方次第で、見た目も健康上も大違いだというのは、レッスンの度に驚かされることです。
今月はメンバーにお誕生日を迎えたH美さん、Aみさん、Y子さんがいることから、打ち上げは彼女たちを囲んだお誕生会としての開催。年内最後のレッスンですから、忘年会の意味合いもあります。
毎回幹事を務める私が今回チョイスしたお店は、スタジオから5分のところにある「the simple kitchen 南青山店」です。
ビルの地階にある隠れ家的なここは、一体感のある開放的な空間です。
いい汗をかいた後、親しい仲間と飲むビール。一口目から幸福感が広がります。
主賓のH美さんがメニューを見てピンと来たのが、「バケツ入りムール貝」。
ムール貝の料理にバケツが入っているのではなく、ムール貝のスープ煮がバケツに入って出てくる、この店の名物料理なんです。
2杯注文し、登場した代物は・・・
高さ20数センチ、銀色に耀く実におしゃれなバケツに、ムール貝が山盛りに入っているではありませんか。
ワオ。
本能をくすぐられた私たちは、ハート形の貝殻を手づかみすると、身を箸でそいで、口にほうり込みます。
おいしい♪
こういう特別感が、喜びを倍加させるのかもしれませんね。
頃合いを見て、私は、全員にこう持ちかけました。
「折角の場なので、ひとりひとり、今年がどういう年だったかという振り返りと、来年に向けての抱負をしゃべることにしませんか」
そして、「M子さん、どうぞ!」と、左隣のメンバーを指名しました。
こうなると、話が出てくるもの。実はみんな、話したくてしようがないんですね。
私は、長年の経験から、「全員が耳を傾けている状態でスピーチする」のをひとり残らず全員がやれば、その宴会の満足度が高まるのを知っているので、こんな風にお膳立てするのです。
若いAみさんからは「来年、起業します!」宣言まで飛び出し、いやはや盛り上がること。
終盤は、頼んでおいたバースデーケーキが登場。
私がクロマティックハーモニカを取り出して生演奏すると、私たちのテーブルはもちろん、他のお客さんも全員歌ってくださるではありませんか。
主賓の三人が仲良くろうそくを吹き消し、忘れられない感動の灯をともす座を共有することができました。
ご縁に感謝ですね。
今日の回文は、これです。
「バケツ、灯つけば(ばけつひつけば)」