亡き父の思い出⑭

 

入院中は、ほぼ毎日お見舞いに行く。

いかねばならないとどこかで思っていた。

 

父が最期の療養先の病院に転院したのが

12月25日。

亡くなったのが翌年2月3日。

 

毎日行くが、すぐ帰る。

 

父の亡くなる2週間前くらいに

院内でインフルエンザが流行。

面会が謝絶になった。

 

毎日行っていた病院、行ってはいけなくなった。

 

次に主治医から呼ばれたときは

多臓器不全の状態だったので、お話を

聞いた翌日に父は他界するのだが。

 

最期にお見舞いに行けなかった2週間。

私の中では後悔しかなかったが、ある人に

こういわれた。

 

「その2週間があったから、あなたもお父さんも

別れることが出来た」

 

行かないといけないと思っていってたお見舞い。

でも、来てはいけないと言われ、私は楽だった。

後悔はしたけど、楽だった。

 

2週間で、父も私も気持ちの整理が出来た。

今でも父は私の中に居る。