そしてその週の日曜日、

私は一人で外苑前の駅にいた。

Y先生の事務所を訪ねるために。


その日はちょうどイチョウ並木が見頃を迎えていて、

家族連れやカップルでにぎわっていた。


未来の夫と子どもと私がここに来るときがいつか来るだろう、

そしてその時は、今日の日のことをどんな風に思い出すんだろう。

なんて一人考えながら、クロワッサンをかじる。


そうこうするうちに、約束の時間になり、

外苑前の駅前で待ち合わせ。


ドキドキしながら事務所へ。


 
・・・

夢のなかにいたみたいだった。

コポコポと音を立てる加湿器の音で目が覚める。



約束の時間はどうしても来る。

金31万円也。

この時のことは忘れない。

人生で札束を持ったのはこれが初めてだったから。

たしかに、諭吉と目があった。

たった30万。たかが30万。

でも当時の私にはすごく意味のある金額。


この判断が間違っていませんように、

いや、間違わせる結果になんか絶対にしない。


このとき、決意した。