「あのぅ、じつは…」
私は上司に仕事で悩んでいること、両親のことを話した。
「あのぅ、じつは、検査の勉強をしていきたいのですが、どうしたらいいのかわからないんです。教科書どおりの症状の患者さんが来ることなんてめずらしいし、かといって現場でいちいち聞いて確認できる時間もないんです。あとは、検査の解析の仕方が私にはどうしていいのかコツがつかめないんです。。。」
「このことを両親に話しても、両親がどうしていいのかわからないというかんじでただ困ってしまうだけなんです。」
すると、上司は、
「そうか、どんな社会でもそうだと思うが、2~3年は枕を涙でぬらすのが普通なんじゃないかな。それでみんな一人前になっていくんだと思う。だから、お前も頑張って!そのうち、少しずつでも仕事はできるようになると思うよ。ま、あまり期待していないんだから(笑)ひとつひとつでいいからゆっくりやってみてよ(笑)」
そう、答えを返してくれた。
そっか、少しずつでいいんだ。ひとつひとつ、やっていけばいいんだ。
…うれしくって涙が出た。
少しずつ、少しずつ私のココロが溶けていくような気がしていた。
上司と話しをし終わった後、私は自分の検査室に戻って仕事をしていた。
少し落ち着いて仕事ができた。
こんな自分でもなんとかなりそう。今はつらくとも、なんとかなりそう!!
その日は、少しいい気分で帰宅した。
社会人になるってつらいけど、誰でもこういう経験をしながら一人前になっていくってことが分かっただけで少し安心した私がいた。
父が帰ってくるその前までは・・・