アロマセラピストデビューして1週間が経ちました。

緊張して何を話したのか、どう施術したのか覚えていないなんてプロのアロマセラピストとしてははっきりいってかなりマズイかんじのデビューを果たした私でしたので、その後、

「私は緊張しすぎてお客様が安心感を得られないのじゃないか?」

とすごく不安な気持ちを抱えながら仕事をしていました。

私の働かせてもらったアロマテラピーサロンはまだまだオープンしたばかりでお客様の入り方ののんびりだったので、

「このお店がなんとかはやく波に乗ってくれるといいな。」

と考えていました。

そんな折、アロマテラピーサロンに私を読んでくださったアロマセラピストのSさんが私に、

「松田さん、もっとたくさんアロマテラピートリートメントしたいよね?」

と話しかけてきてくれました。

とっさに私は、私がお客様のトリートメントを担当させていただくことでリピート(お客様が再び来店してきてくださること)が少なくなってしまうんじゃないかな、先輩のアロマセラピストにお願いした方が絶対リピートが多くなって、このお店がはやく忙しくなって順調に流れ出すんじゃないかなと考えた私は、

「いえ、私はどちらでもいいです。」

と答えました。

本当はどんどん経験を積んではやく私はよいアロマセラピストになりたかったけれど、自分のことだけを考えて仕事はしたくなかったです。今、自分が働いているお店が忙しくなってくることが最優先だとそのとき思ったのです。

…それから1週間が経過しました。

私は仕事が終わって先輩アロマセラピストさんと一緒に帰っていました。すると、その時、

「松田さん、先週、Sさんにアロマテラピートリートメントのお仕事をしたいかって聞かれたとき、『どっちでもいいです』って答えたの?」

とふいに話しかけられました。雰囲気が少し真剣になったとかんじとった私は、自分の気持ちをすべて先輩に話しました。

「本当はどんどんお客様を担当させていただきたいけれど、私が担当していたんじゃまたもう一度このお店に来店したいっていうお客様がぐんと減ります。先輩がお客様に当たってくださったほうがずっとこのお店ははやく忙しくなって順調になります。それで、お客様を私に担当させていただくのは嬉しいけれど、このお店のことを思ったらそんなことはどっちでもよかったので、『どっちでもいいです』って答えました」

「…松田さん、今日、焼肉でも食べに行こうか?」

ふいに先輩の表情がゆるんで優しい笑顔になりました。その晩、私たちはおいしい焼肉屋さんで食事をしながらたわいもないことをいっぱいお話しました。(本当ならタブーなはずのにんにくも無礼講とばかり食べました。^^;)

その後、先輩アロマセラピストはお客様を見ていて私が担当しても問題がなさそうなお客様のときは、必ず、

「今日は松田さん、お客様担当してみる?」

って聞いてくれるようになりました。

私もそんなときは、

「はい!お願いします!」

といって仕事させていただいていました。

このお店で働かせてもらって、こうやって心が通い合って少しずつ仕事が増えて楽しくなっていくことに私は心から嬉しく思っていました。初めて働くお店が、ここでよかった。先輩アロマセラピストさんに出会うことができて本当によかったと感謝していました。