今更って感じかも知れませんが、
吉本ばななさん
現在はよしもとばななさんですね。
何度読んでも好きなものは好き。
流行だからとかではなくて、
ほんとうに彼女(とっても男気ありますが...。)
の感性がとても好きです。
中でも一番好きなのは、
彼女の卒論でもある、
「ムーンライトシャドウ」
- よしもと ばなな
- ムーンライト・シャドウ
- 「キッチン」にも収録されています。
- 吉本 ばなな
- キッチン
これが一番好きというのは、
作家本人にとっては失礼な事かも
知れませんが、
いつも最初の旋律に還ってしまいます。
「あの幼い私の面影だけが、
いつもあなたのそばにいることを、
切に祈る。
手を振ってくれて、ありがとう。
何度も、何度も手を振ってくれたこと、
ありがとう。」
...文庫版あとがきの
「感受性の強さからくる苦悩と孤独には
ほとんど耐えがたいくらいにきつい側面がある。」
の所なんて、ドッグイヤーしちゃった位に
ぐぐっときた。
- 吉本 ばなな
- 白河夜船
川端 康成の眠れる美女
と重なる。
(学生時代は川端康成が一番好きでした。)
ブラックホールみたい。
無
真夜中の海のど真ん中で、
ひとりぼっちでボートに乗っている感じ。
そこには恐怖も焦りも諦めもなく、
ただ揺られている。
- 吉本 ばなな
- 哀しい予感
発表時、未完成を完成としたこの小説
私は、元の単行本版哀しい予感 の結末が好きです。
「もしも人に、もともとの魂が美しい
ということがあるなら、
人としての品格が高いということがあるなら、」
魂の美しい人が好きです。
品行方正という訳ではなく
破天荒であっても、
魂の美しい人が。
...完成なんてどこにもないから。
未完成が完成。
吉本 ばなな
- マリカの永い夜;バリ夢日記
「哀しい予感」と同じく、のちに文庫版で
- 吉本 ばなな
- マリカのソファー/バリ夢日記
となりましたが、やはり、元の方が好きです。
「24人のビリーミリガン」のような多重人格者のお話。
「暗がりの、玄関の明かりだけの、
顔は見えないぬれねずみの、シルエット。
あんなに、ちぎれるくらい手を振って、いた。」
- 吉本 ばなな
- N・P
一番好きな作家はウイリアム・バロウズ
という著者らしく、どこか排他的なストーリー。
「好きでない人とデートしているとき
ふとしたことでほんとうに好きな人のことを
思い出して暗くなってしまうように、」
ほんとうに好きな人と一緒に時間を過ごすのって
難しいのだ。
意識しすぎて挙動不審になってしまうし。
「美しい、何もかもが、
起こったことのすべてが、
気が狂ったように激しく美しい。」
この一節は発表時、無防備すぎると批判
されていたようですが、私は好きだなぁ。
美しいという言葉に弱いです。。。(*^.^*)