「さや侍」感想 | Melodies From Mars

「さや侍」感想

昨日から公開の「さや侍」を観てきました。

ネタバレを書くのもアレなので、極力ネタバレにならないように感想を書きます。


まず、総合評価としては結構高ポイントですね。80点くらいつけてもいいかもしれません。
映画としてではなく、2時間弱の映像として。

笑いのポイントはわかりやすくて面白かったし、結末も納得のいくもので、2時間弱の中で進行するストーリーとしては、ちょうどいいものでした。

主演の野見さんですが、正直、「おっさん人形やおっさん劇場では確かに面白い野見さんだが、長尺のストーリーで主演というのはどうなのか?」という不安もありました。

実際、演技力は無いに等しい人です。

だから、ほとんど演じていないんですけど、だからこそあの表情ができるわけです。
「天然」の素材が活きていると言いましょうか。

野見さんは優れた人ではありません。
演技の上手い人が演じるそれとは雲泥の差です。やはり。
オリジナルと精巧なレプリカの価値に大きな開きがあるのと同じことです。

演技の上手さを評価するのも一つの楽しみ方ですし、普通はそうなのですが、やはり天然ものは違います。
説得力が違います。
哀愁が違います。

結末に関しては、ああなる以外にも色々なパターンを想像しましたが、あれが結局は一番いい結末だったと思います。

・・・

一つ苦言を。

やはり導入部分は練りこみが足りてないかなーと思えるようなカットも多かったです。
ちょっと心配しました。コレ地雷かな?って思いました。
あえて油断させるという意図なのかな?とも思いましたが、個人的にはもっと序盤は変なギャグ的表現よりも、リアリティを出して設定を確立させて欲しかったと思います。


中盤~結末までは、まさに松ちゃんが撮りたかった映像だったんじゃないかな?と思えるほどに、野見さんという素材が映えています。


最後、何とか「さや」にすがりつくダメ人間。
その向かう先。
ワンランク上のおっさんになるための過程、そして結末。

そういうドキュメンタリーとして、そのリアルなダメ人間の哀愁に触れる2時間弱の動画。
難しく考えず、そう捉えるのが良いと思います。
完全に堕ちきった人間ではなく、最後の最後、真っ当な人間への未練を残す者。

最後の野見さんの笑顔。それが全てでしたね。