悪い歯並び(不正咬合)の種類というと、
ふつうは次の6種類がでてきます。
上顎前突
下顎前突
叢生(ガタガタな歯並び)
開咬
過蓋咬合
交差咬合
きっと歯科大でも
この6種類が教えられていて、
矯正前にいろいろと検査したら、
この6種類のうちのどれかの診断を出すのが
基本になっているんだろうなあ、
と感じています。
でも、私は
上あごの歯列が全体として
(たとえば両目を結んだ線や
両耳を結んだ線と比べて)
左上がり・右上がりの
どちらかになっている場合、
それに対して
きちんとした症名をつけてほしいんです。
たとえば「上顎歯列左傾斜」とか。
そして、この症状を改善することを、
矯正治療の目的のひとつとして
きちんと認識してほしいんです。
例えば「上顎前突」や「下顎前突」や
「叢生」などと同じくらいに、
治療で改善するのが
「当たり前な」症状だと、
認識してほしいんです。
だって、想像してみてください。
上あごの歯列が全体として
右上がりになっていたとします。
一方で、
下あごの歯列は
下あごに対して水平(正常)に並んでいて、
その下あごが、
口をあけた状態から
まっすぐに(正常に)動いて閉じてきたら、
どこの歯が先にぶつかるでしょうか?
これが実際に私の状態なのですが、
左側の歯列(の一部)が先に
上下でぶつかって、
下あごを右にずらさないと、
右の奥歯では咬めないんです。
そのため、
上あごの悪い歯並びの結果として
下顎が歪んでいるんです。
この症状について、
歯科大ではどのように
教えられているのでしょうか。
もしかすると、
「あごをずらせば咬めるんだから、
それでいいんだ。
あとは、患者に慣れてもらうだけだ」
といったふうに
歯科大では教えているのでしょうか?
慣れることで何とかなるぐらいの
歯列の傾きの方も
きっと、いらっしゃるでしょう。
でも、慣れでは何とかならない方も、
少なからずいらっしゃると思います。
私も、何とかならない部類です。
だから、
「上顎歯列左傾斜」みたいな
症名ができて、
矯正治療をする先生も、
治療を受ける側もみんなが、
治療で改善するのが
「当たり前な」症状だ
という認識をもってくれたらいいなと
思います。
そうなったら、
私の治療ゴールをめぐる
歯科コミュニケーションも
ずいぶんと楽になるんだけどなあ、
と思います。
付けたしですが、
下あごの歯列が
下顎に対して
水平(正常)に並んでいない状態も
問題ありだとは思います。
でも、下の歯列の傾きは、
新しい症名をつけたり、
患者が特に声をあげて
強調したりしなくても、
「上顎前突」や「下顎前突」や
「叢生」などを
治してもらう過程で、
ルーチンとして
治してもらえている気がします。
(技術的に問題があって
治せないケースを別として。)
それに、なんとなく思うのですが、
下あごの歯列が
下顎に対して
水平(正常)ではなくなることって
あまり生じない気がするんです。
力学的に。