昭和の頃に子ども時代を送った人たちは、
何歳ぐらいから子供部屋をもらっていたのでしょう?
私の周囲では小学校高学年ぐらいからだったような
印象があります。
私は残念ながら
長いこと子供部屋をもらえませんでした。
高校3年生になって
受験勉強が本格的に必要になったとき、
ようやく個室をもらえました。
それまでは、
家の中で自分の居場所といえるところは、
小学校に入るときに買ってもらった
学習机の周りの半径1メートルぐらいでした。
自分専用の洋服だんすとかクローゼットとか、
そういうものもありませんでした。
毎朝、親がどこからか出してくる服を着て
小学校に行かされていました。
その服がまた、全然かわいくないものでした。
親がスーパーの安売りを勝手に買ってきたものだったり、
兄のお古の真っ青なセーターだったりでした。
同級生が来ているような
フリフリのワンピースとか、
ピンクのTシャツとか、
黒いエナメルのかわいい靴とか、
私も欲しいとお願いしても、
聞いてもらえませんでした。
アラフィフの今、好んで着ているのは
フェミニン度高めの服です。
大人になってから数十年、
自分が着る服を自分で好きなように選ぶ毎日を
重ねてきていますが、
子どもの頃の渇望がまだ満たされていないのだと
思います。
「自分のお気に入りのワードローブの
中から、自分がその日に着る服を、
毎朝自分で選ぶ」自由。
昭和の頃の同級生も、
その自由はもっていたと思います。
親からこの自由を許されて育った人たちには、
「自分がその日に着る服を、毎朝自分が決める」ことを
大げさに「自由」とよぶ感覚など、
理解できないかもしれませんね。
でも、子どもは
「毎朝自分で服を選ぶ」経験を通して、
T.P.O に応じた服装をすること、
衣服を自己表現のひとつとして楽しむことを
覚えていくのだと思います。
そして、毒親は、こういう
一見些細なことに感じられるような自由を奪うことで、
子どもの人格の発達をはばみ、
自信のもてない大人になるように仕組むのです。