任天堂から発売されたディスクシステムのプロレスをみなさんはご存知でしょうか?
いきなりの切り口から始まることを申し訳なく思いますが。少し熱い物語を語りたいと思います。
ディスクシステムとはファミコンの周辺機器として登場しました。当時の値段が1万5千円。
ファミコン本体とほぼ同じ値段でした。
当然、親には買ってもらえずディスクシステムは同級生の友達が持ってたので遊ばせてもらってました。
その友達は今思えばセンスの塊のような奴でした。謎の村雨城、マリオ2、バレー、リンクにキリがないぐらい良ゲーを塊のように持ってました。
(ほぼ任天堂のゲームばかりで信者)
ある時その子が『プロレス』を買ったからみんなでやろうと誘われました。
仲のいい5人でその子の家に遊びに行くこととなりました。
プロレスには対戦モードがあり6人のプロレスラーの中から選択し対戦ができます。
みんなが初プレイのため、どのキャラを使うか決めることとなりました。
キャラ選択はあみだくじで決めることになり、私は『ジ、アマゾン』に決定しました。
持ち主は『スターマン』強いキャラです。
『ジ、アマゾン』
そのキャラは見た目通り緑色でいかにも悪者レスラー。必殺技も『かみつき』と『凶器攻撃』
私、気に入りました!
手書きの対戦ボードを作りみんな各自のキャラでプレイを開始しました。
持ち主以外、初プレイのためガチャプレイでしたがやり方とタイミングを覚えるとみるみるとみんな上達していきます。ゲームは(飲み込みだけは早い)
『ハヤブサ使いづらい!』
『スターマン強すぎるやろ?』
『キンコンカン使えん!』
さまざま会話が飛び出す中、私は初プレイにして決勝戦に駒を進めることができました。
このゲーム『ジ、アマゾン』のかみつき攻撃が強すぎるのでした。
決勝の相手は持ち主、ただ彼は人一倍ややこしい性格だったのです。
噂では対戦して負けた場合、二度と家に入れてくれない、遊びに誘ってくれなくなる等、嫌な噂のある友達でした。
が、当時の私は接待プレイと言うことを知らない小学生のためいざ、対戦を始めるとすぐにアマゾンお得の『かみつき』をお見舞いするのでした。
『かみつき』からのパンチ、相手をロープに投げてのラリアット。相手になりません。
周りからは
『わざと負けろ、遊んでくれなくなる』
小声で言ってくる友達。
私は『強い奴に負けるのは当たり前!』
負けのフタ文字なんていらない。わざと負けてヘコヘコするぐらいなら友達じゃないと。
そんな感じで余裕も余裕で優勝を勝ち取ることとなりました。
無言の持ち主に静まり返る友達がそこにはいました。
私はやりすぎたと思い
『勝ったから今日は帰る!』と言いはなち帰宅することにしました。
たぶんもう二度と遊びに誘ってくれないんだろうと帰り道考えながら帰りました。
そんな持ち主と学校で目を合わさなくなって少したったある日のことでした。
その日は運悪く居残りをして掃除当番を持ち主と私がする日でした。
気まずい空気になってたのを思い出します。
すると急に持ち主からある一言が飛び出すのでした。
『あの時は歯が立たなかった。気まずい空気にさせてごめん。今度、みんなに内緒でプロレスの特訓しよ』 と。
その言葉が持ち主から出てびっくりしたのと嬉しいかったのを今でも思い出します。
泣いてました。私は。
それからはみんなに内緒で特訓し、学校内ではわざと仲良くない感じを出して秘密に持ち主と遊びに興じる仲となりました。
今でも持ち主とは仲がよく、ちょくちょく思い出のゲーム『プロレス』をプレイするのでした。
もちろん私は『ジ、アマゾン』で。



