令和になりましたね。

どんな時代になるか楽しみですね。

 

さて、人はしばしば自分がある出来事に

関して生じた感情や思考を他者に話します。

 

リメイら(Rime et al. 1998)によると、

私たちはポジティブであれ、

ネガティブであれ、大半の感情経験を

それが生じたすぐ後に他者に話すそうです。

 

リメイらは、感情経験を他者に話す行動を

感情の社会的共有と呼び、

感情経験に不可欠な部分であると

考えました。

 

私たちはどうやら自分の感情経験を

他者に話したいという基本的な欲求を

持っているようです。

 

 

感情経験を話すというのは日常場面だけでなく、

宗教的な場面でもみられます。

 

よく映画で罪を犯してしまった登場人物が

教会で自らの経験・罪を牧師さんに

告白する場面をみますよね?

 

まぁ宗教的な場面では日常場面とは違った

効果もありますが、少なくとも自分の感情経験を

他者に話すという行為が、基本的な欲求や

生活の一部として備わっていると考えると、

そこには何らかの機能があるのではないかと

推察されます。

 

 

感情経験を話す機能には以下のような

ものが挙げられます。

 

互いに感情経験を共有することで、集団内の

 相互理解が促進され、絆が深まる。

 

感情経験の共有で模倣学習のための

 情報源となる。

 

模倣学習とは、「人の振り見て我が振り直せ」

とあるように、自分が直接、経験した訳ではないが、

観察や伝聞によって、学習することです。

 

・他者に感情経験を話すことで、混乱した経験が

 整理され、自己理解につながる。

 

 

ちなみに自分のことを包み隠さず話すことを

自己開示(self-disclosure)といい、

自分のネガティブな内容は秘密にして、

良いところだけ話すことは

自己呈示(self-presentation)と言います。

 

合コンなどの場面では自己呈示を先にした方が

有効かと思いますが、対人関係の発展に

おいては自己開示が有効です。

 

参考文献

『感情心理学・入門』 大平英樹 

有斐閣アルマ 2010年