
小西+マント=正義
+白タイツ=無敵でもいいです。←ただのファンです
ああ、今コニシーノ侯爵様が(その長い御足を優雅に折り)
幸せにひざまづかれた!幸せにひざまづかれたよ!!
とラストにあったかい心が締め付けられ。
そして成河フェステの奏でる音楽に重なり弾く為にチョイチョイ、と指先2本をほんの少し動かして合図。
ギターを要求してさりげなく片足を掛けて構え…
<この瞬間、哀れな小西スレイブ全員ダウン
音の波の中にそっと加わり歌い始めたよ!
侯爵様がまさかのギター演奏だよ!!
と、こんなところでラララなギターオヤジ(男前)が炸裂してファン身悶え。
あれ、シェイクスピアでこんなこと書いてて良いのか私!←幸せ
と萌えはさて置き。<置くのかいっ
つまり、演劇の楽しみとはいろいろあるものです。
舞台の上と下、演者(演出家スタッフ含め)と観客が察しあい、何かを汲み取り合う喜びは果てしない。
何であっても、感じるものが多い方がいいに決まってるんですよ。
<それが↑のようなアホ萌えだろうが、古典劇への敬意だろうがそりゃあればあるほど
久々に悪友と企み、観に行ったシェイクスピアでしたが、何より座組が良かった!
全員が巧み者であることはもちろんのこと、役に対する温度と湿度(これは何とも言葉にするのは難しいんだけど)
佇まい、身のこなし、出演者のすべてが突出することなく調和の中であらゆる人生を生きていたのに驚いた。
ハッキリ言ってしまえば、ちょっと地味?!<や、巧い、巧いの
この渋い役者の組み合わせこそが「吟いながら・リアルに」人間の業を魅せてくれたんだわ!
シェイクスピア古典喜劇だから大袈裟でしかも超絶に長い!
さらに全台詞はソネットで、何よりそこは日生で、劇場の神様にも愛される演技【PLAY】じゃなくちゃならない難しさがある。
その舞台で橋本マルヴォーリオを始めとする全員が、その温度湿度を共有し、遊びながら知性の限りを尽くして品位ある演技を魅せていたことが素晴らしい!
<普遍的な「人間という愚かな生き物」の可笑しみと哀しみを描く大人のチームワーク(お仕事)
観念的なことばかり言うようですが、つまりはすっごく面白かった!
(これは演出のジョン・ケアード氏の狙ったものなんだと思うと嬉)
余談だけども、先日のNHKの番組で吉田鋼太郎さんが宮川彬さんと対談していたのを観たんだけど。
そこで、シェイクスピア演劇の永遠の課題、「台詞は詩で演技はリアル」な古典の難しさを語っていてタイムリーに面白かったんだよね、シェイクスピア役者の永遠の悩みはやっぱソコ!<大爆
ここでもそれはもちろん、観客も取り組まなくちゃならないことなんだけど。
なんせさりげなく全員が知的に品を持って存在しているから、その一番難しいところをスルンと飛び越えちゃった。
セットも一面に蔦の絡まる緑の館。
大きなその壁が動いていろんなシーンを生み出すとこも美しい湿度を感じるわ。
<それは日本でやるシェークスピアだもの
テーマカラーの葉っぱの緑が見事に生かされてた。
<シャンテのコラボなケーキも緑だったしw
幕開き、緩やかな八百屋舞台になってる途中、暗い中にそっと立つ背の高い男。
(先に観に行ったお友達のタレコミありがと~!始まる数分前からいる小西堪能開始だ!)
恋に苦しむナルシスト侯爵様は出番は少なくても美味しさMAX!
途中、見事なマントがベンチに引っ掛かっちゃったアクシデントに「ハッ」とする横顔にすら締め付けられる胸!
<は~もう、マント+…最初に戻w
コニタン、パンフでもサラリと上手いこと言うよね!独身の一人上手とかもうたまんな…w
そして帽子はデカけりゃデカイほどイイ!←もう延々語れるな
と、ここからは、覚え書きで気になった役者さんの印象をピックアップ、ちょっとだけ書いとこう。<ようやく本題
・オリヴィア中嶋朋子さん
途中、台詞一言、「お若い方!」と、シザーリオに呼びかけた瞬間に、私の胸に切ないオールドミスの気持ちが込み上げた!
<若い男は最高イイに決まってる!
痩せた面差しも、柔らかい笑顔も(気難しい深窓の令嬢であっても)どこか親しみ易く、しなやかに物語りを包む印象。
若い男に恋して素直に浮かれる気持ちも、こっぱずかしい哀しみすらも優しかった。
・サー・トービー壌晴彦さん
今回、この俳優さんを初めて観られた事が私の何よりの幸せだった。
<演技の先生でいらっしゃるのね~嬉し過ぎてツイッターも読み漁ってしまったくらいw
唸る品格、卑屈ささえも偉大で、何とも声が素晴らしい!観て良かった!
・アントーニオ山口馬木也さん
この役はもうね、最初から女性をキュンとさせる役だから!<笑
もちろん思い切りキュンとさせて頂きました。
ラスト、ポンと柔らかく両手で背中を押す(幸せに!)ああっ!
本当にイイ役者の年齢にいる、乗ってる男優さんのイイトコロを観るのはまたコレ幸せですな!
あと、マルヴォーリオさとっしーさんのハジケっぷりが上手いのはモチロン当たり前。
何より成河さんの巧さにはぐうの音も出ない。
禅さん、青山さん、宮川さんと、揃ったその安定した隙のない座組の真ん中にスッと立つのがキムちゃんだ。
華やかな宝塚の世界の中でも、さらに白く清らかに居たキムちゃん(音月桂)が、ここでは男役の鎧を軽やかに脱いで、男装した女の子を、そして、男の子を(男役じゃなくて)演じているのが、作りすぎてなくてすごく自然。
ナチュラル、がキムちゃんの一番の魅力だと改めて思う。
この人に(良い意味で)やり過ぎはないってこと。
女優主演の最初がこの大作(ブラメリはまたおいといて)で、良かったな。
ラストの二役が同時に出るとこなんて、まさにクルクルと観客をペテンに掛ける仕掛けを楽しめる幸せ。
大いなる大団円で全員が幸せに、劇場を追い出されるんだね。
考えてみれば、もうかれこれ300年もの間、シェイクスピアオヤジ一人に良いように泣かされ笑わされて地球は回ってる!
あと何回、こうしてシテヤラレルのかと思うと悔しい、いや嬉しい!<死ぬまでまだまだ何度も観ちゃうぞw
手を変え品を変え、演出を変え、人を変え…でも、そこにある「人間あるある」を何度でも楽しもう。