クリント・イーストウッド監督の最新作は、ブロードウェイの舞台の忠実なる映画化。
(私の生まれるちょっと前くらいからストーリーが始まるw)

フォーシーズンズのサクセスストーリー、実話に基づいた物語だから、あっと驚く大事件が起きるわけじゃない。

でも、だからこそ「人生というものを描く」イーストウッド監督の凄さを思い知るんだな。

ヒット曲はもうどれも真剣にガチでヤレル(言い方が非常にアレだけれども真実)ウレル(そうプロの仕業)曲!
一切の手抜き無いキラーチューンがキラ星のごとくシャワーのように降り注ぐ。<そりゃもう降参当たり前

まるでウエストサイドストーリーを地で行くような悪ガキ時代?!
10代の頃のバンド演奏のフレッシュさ!
大スターになってからの苦悩を抱えての演奏の辛さ切なさ。
全てを越えてまた集う、イイ味だしまくりの熟年加減まで。

全部を役者本人が歌っているのも素晴らしい。
<ほとんどのキャストが舞台と同役を演じているんだね

たぶんね、クリント・イーストウッド監督は、ブロードウェイを観に行くことの出来ない大多数の人に、トニー賞を取ったこの舞台を、見せてあげたかったんだと思うわ。
<私、そのトニー賞受賞の瞬間をWOWOWで観てた!主演のジョン・ロイド・ヤングが主演男優賞受賞スピーチでまさかの(世紀の)自分語り!音信不通の父親に呼び掛けるところ生で見た!司会のヒュージャックマンもドン引き爆(^_^;)

いわゆる第四の壁?と言われる、スクリーンのこちら側、観客に向かって突然語りかける手法。
一気に舞台を観ている気分が盛り上がる~~♪
狂言回し、ストーリーテラーを次々に変えながら、スピーディーに場面は展開。

2時間15分?を越える長さをまったく感じさせないテンポの良さだわ。
ショーシーンを軸に、どんどんと進む「人間賛歌」生きてるって凄い。
<ショーほど素敵な商売ないわ!

ジョークが満載爆笑の連続。
笑って笑って、歌って踊って、やがて切なく涙が溢れ…

哀しみも喜びも、すべては「音楽」と共にある。

これは、それを作った人も、聴いてるこっちも同じこと。

人生に歌がある幸せを、振り返って観客も感じるからこそ素晴らしいんだ!

芸能人にはギャングにマフィア(暴○団に893)借金にドラ○グ、が深く関わるのはもう神代の昔から、ですよ。
<美○ひ○りも島○千○子もみんなみ~んなソレまみれ!

だからこそ、グッとくるじゃないの。
裏にある汚いもの、辛いこと、その全てを越えて「真剣に芸術を生み出している」からこそ人はエンタメに感動する。

名優クリストファー・ウォーケンがギャングのボスで震え上がるほど恐くてお茶目で、踊りも上手くてなんともチャーミング。
彼の代表作「ディア・ハンター」にも、この「君の瞳に恋してる」が、印象的な酒場のシーンで大合唱するところで使われてたんだよねぇ。
<そのあたりも監督の狙いかな

もちろん、監督自身もチラッと2秒ほど、ブラウン管の白黒テレビにご出演<サービス!

監督脇役だけじゃなくて、もちろん主要キャストのはまり具合は神。
とにかくスーツの男が揃って歌って踊るのは罪、いや正義。
白いとっくり(古っ)セーター着て、Vネックのカーディガンなんて大正義!<ヤラレル

私、アメリカ男が揃ってお客に深くお辞儀するとこ見たのほ~んと久しぶり!<イイヨイイヨ

そうそう、みんなで乾杯するシーンで言う「Long Life!」の掛け声もGood!もしかしてこれもジャージー流?
<事実、フォーシーズンズのリアルメンバーがホントに全員長生きしているし(^o^)

名曲秘話も心に迫るよね。

彼らがいきなりスターダムにのし上がった奇跡の名曲「Sherry」
これはもう、ファルセットバンザイ、圧巻とはこういうこと!誰の心も捕らえる代表曲。

「Can't Take My Eyes Of  You」(君の瞳に恋してる)
ファルセットの天才のフランキー・ヴァリがファルセットを使わずに歌うソロ第一弾としてヒットした曲。
それがこの世に出るまで、苦労がこんなにもあったなんて…
こんなにカヴァーされてる曲もないけど、だからこそ、どんな世代でも知っていて、それぞれの時代に思いを馳せて号泣しちゃう。
※そうそう、ちょうどタイムリーに夜中BS-TBSのフランキー・ヴァリ特集番組で作曲のボブ・ゴーディオが語っていたものも合わせて見た!3つのパートを融合した経緯が凄いよ!2012年の78歳のフランキー来日演奏も渋かった~~!

「Bay Bay Baby」はサラッと出てくるだけだけど、私達にとってはもう永遠のB.C.R!<爆

そして、意外な所で私が泣いたのは…

「My Eyes Adored You」(瞳の面影)
これね、作中で一番哀しいシーンに登場する、切ない届かぬ思いを歌い上げるバラードなんだけど。
日本ではこれ槇原敬之が英語だけで全曲歌ってるアルバムでカヴァーしているんだよね。
(透き通った声で歌うこのメロディーが忘れられなくて覚えてた)
それを聴いてた頃がバ~っと迫って来て、場面も悲しくて、うわ~~~だった。<まんまと監督の罠に

数々出てくるクラブシーン、というか舞台のシーンも印象的。
<これショーライブな映画でもあるんだよね。

で、クラブシーンと言っても60年代の頃は、ブルジョアなアッパーな金持ち白人の紳士淑女がドレスアップして小さなテーブルを挟んでワインを呑んでるようなところで(ビッグ)バンドを従えて歌ってる。
同時代には、あのKing Of Popsのマイケルジャクソンが子供時代のジャクソン5なんかもこんなシーンで演奏しているところが映像残ってたりするんだよねぇ。

なんとも切ない、ハッキリと上下のある厳しいショービズの世界。

それがTVショーに出て、レコードがヒットして、70年代は全米ツアー、ワールドツアーで売れまくったアーチストは心も身体も消耗して行く。
カーペンターズなんかもそうだけど、あの時代のスーパースターは、本当に交通移動手段、高速ジェット機もなくて、ガタガタプロペラ飛行機や、車で地球上を、日々移動して頑張ったんだよ!
<ホントに大変な思いをしてステージを届けてくれていたんだな

などと、自分が子供だった頃、いろんなことを教えてくれて人生の基礎になった曲の数々を思う。
筒美京平先生も語ってるけど、60年代当時、洋楽レコードを朝から晩までスタジオで缶詰になって聴きまくって、当時の歌謡曲を書きまくってたってことだから、関連無いように見える日本の歌だって、すご~く彼らの曲に影響されて誕生してるってこと。

で、映画はラスト10分、本当に畳みかけるように素晴らしいシーンが展開する。

そう、映画のラスト、まさに舞台のフィナーレと同様に次々と登場人物が現れて楽しい楽しい!

ああこれがマジで生舞台で目の前に展開したら、そりゃもう総立ちだわ、踊るわ泣くわ!
(早く日本で舞台観たいよ~~~♪)

※追記、コレ書いた翌日くらいに、来日公演が発表になりました!
やった~~~!来年2015年6月東急シアターオーヴですよ!
今から通い決定です(^o^)


パンフもと~ってもいろいろ書いてあって写真も満載、久しぶりに映画のパンフ、買ってよかった!
(形も正方形、ちょっとアルバムレコードみたい!思った通り湯川れい子さんの解説がどん光り!)

ありがとう、クリント・イーストウッド監督。

私が好きだった曲の元の元。
本当に感謝をしなければいけない人達の物語りを撮ってくれて。