来年2014年はチャップリン生誕100年の記念イヤーにあたるのだそうで。

今回はそのプレイベント、いや、プレにしちゃ豪華過ぎるでしょこのメンツ!

みてよコレ→http://www.chaplin100th.com/voice.html


日本を代表するボイスアクターが羽佐間さんの一声で集結するとこんなことに。

<口が開いちゃう感動で


素敵な夜桜が舞う赤坂ACTシアターで、チャップリンの無声映画に声で新たに息を吹き込み蘇らせるという斬新な舞台を観て参りましたのでご報告を。



二日間公演の初日(3/29)

まずは御大、羽佐間さん、千葉さん、山寺さん達が日本チャップリン協会会長(この人世界的研究者なのに若くてビックリ!)とのトークで開幕宣言。


のっけから千葉さんの「俺の血は日本酒で出来てる」発言もあって(笑)出演者の皆様の軽妙なお喋りで会場の空気は速攻で暖まるわけで、さすが大御所ばかりですよ~!


私は初めて生でお目に掛かるロッキー羽佐間のダンディーな黒燕尾服にヤラれて撃沈。

<普通にしゃべってるだけなのにスゴイオーラ


落ち着いたトコロで、まずは着席。<爆


巨大中央スクリーンに映し出された、チャップリンの超レアなNGシーンに、すでにビックリだよもう。


超有名な「街の灯」のオープニングで使われなかった7分間のフィルムだけでもう圧巻。


ショーウィンドーの前の溝に填った木の欠片。

たったそれ一つで、100人近いエキストラ、街中を巻き込む騒動を創り出す。

その他にも、いくつか短いものでボーリング場の騒動、頭をボールと間違えて…とか、まるでド○フかゲ○ゲバか?!いや、天才をこっちがマネしてただけ!<大爆笑


wowowの特集番組でも放送されて、山ちゃんがそれに声を充てたってことで、この日は特別に即興で生アテレコ、コレも凄い贅沢極まりない~。


チャップリン協会会長の、まるで生きてて見て来たようなホンマモンのエピソードや来日時の秘蔵フォトを交えつつ、楽しく観ているうちに早くも次のコーナーへ。


ここからが本題というか、羽佐間さんの構想10年、夢の企画。

チャップリンの無声映画に声で命を吹き込む試みですよ。


「チャップリンの質屋」


これはご参加の声優さん揃って参加の大作。

チャップリン主演は千葉繁さんで、これまたカッコイイ~&可愛いトコもあって素敵。豪華過ぎる脇役陣にもクッラクラするわ。


で、特筆すべきは近石さんのナレーション。

弁士のように鮮やかで雰囲気を盛り上げる~♪

羽佐間さんを始め、皆様、そろそろ八十路をお迎えにもなろうと言うのに、腰はしゃっきり、喋りだすと30歳ですか?!の男の色気がダダ漏れてるなんて!



「チャップリンの消防士」


コレには会場中が驚かされた一人44役!


日本初、いや世界初だよね!

目眩がしそうなスピードと声のマシンガン攻撃に終わってから思わず観た全員から溜息が!

<とんでもないもん観ちゃったよ!ってこと


ドタバタの中にも独特の哀愁、楽しいだけじゃないのがチャップリン。

そのあたりのしみじみした瞬間もあって、人を惹き付けるんだよね~。


生前にチャップリン本人が「声を付けるコトを許さなかった」ということもあり、そのあたりの出来を羽佐間さんを始め、皆さん相当気にしていたみたいですが…


素晴らしい演技(画面の中と)声は、やっぱり一体というか、あって自然というか。


今の時代の観客にとって、こっちはむしろ自然。


たしかに、声のない分、たっぷりとコッテコテなドツキ漫才以上の作り込みに息もつけずに観るのは大変だったけど。<凄すぎて


新しく蘇ったチャップリンの世界は本当に引き込まれちゃうくらい楽しかった!


最後、口演終わって、演奏陣(ピアノ・フルート・チェロ)のご紹介…ってトコロで、何と羽佐間御大、ホッとしたのと嬉しいのとで段取り間違えて(笑)会長とお孫さん呼んじゃった!<まだだって


で、山ちゃんがそこでさりげなくアシスト!<流石です

一端、捌けて頂いてからちゃんと段取り通りにもういっかいっ。<そうそう


なんと、ホンモノのチャップリンのお孫さん(男性でまだお若い素敵な方でした)がこの企画の為に来日して下さっていて、お爺様としてのチャップリンの素顔をお話下さったのも凄いよ!


亡くなる前のほんの短い時間、お孫さん達と寝る前のピーナッツ(笑)を楽しみにしていたチャップリン氏が、お皿に載った他の子の豆を食べてしまったお孫さんを、いきなり杖を振り上げて怒ったんだそうで…

(ほとんど動けない状態だったお爺さまが、まるで死体が蘇るように起ち上がったとか)


それは彼の幼少時に体験したであろう極貧の頃、食べ物がなかった頃に強く感じていた「善と悪」「人間の尊厳」に関わることであったのではないか。


と、大人になってから、お母様にそう聞いて、彼の作品を観て、またそれを強く感じたというエピソード。


晩年の「ライムライト」などの映画を通して、私が感じていた「人の喜び哀しみ」を大事に描くチャップリンの世界が、なんだかまた胸に迫るような、貴重なお話を聞けたことが、今回一番嬉しかった。


貴重な資料、貴重な俳優陣(お互いをリスペクトし合う素晴らしい芸術を見せて頂いた感じ)そして、観客の皆さんも暖かくて、観ていてほっこりあったかい。


そして余談ですが、会場にはもちろん現役の声優さん、俳優さんたちがお勉強の為にもの凄い人数がいらしていた模様。


私達のすぐ後の席にも、どうやら某大御所がいらしたようで、いちいち羽佐間さんのトークに「俺のほうが年だ!」「そうそう!」などとチャチャ入れていらしたのもご愛敬。


素敵な赤坂の夜でした。


お誘い下さったnamazz様、ありがとうございました~。(*^_^*)