音を、匂いを、芝居を実際に臨場しているように体感する朗読劇を展開している


「Sound Theatre」


言ってみれば、作者である藤沢文翁さんが創り出すまったく新しいおもちゃ箱ですね。


観劇したと言うより、まさに体験したと言うに相応しい、今回も素晴らしい空間でした。

<日本橋三井ホール、駅直結で綺麗だけどフラット席が長いのがちょい残念か(^_^;)


まったくオリジナルとのことですが、日本の古典からヨーロッパ演劇から沢山の要素を吸収した藤沢さんが創造する物語りは、良い意味で本棚から引っ張り出した分厚い「世界名作物語」のようにしみじみと懐かしくてスケール大きい。


ストプレで以前に上演されたもののようですが、今回、スペシャルなメンバーで朗読劇として生まれ変わったとのこと。


ええもう今回もセットから土屋さん達の生演奏から、一流の俳優陣から、凄かったですよ!


幽霊船の唯一の生存者である娘(過酷な状況で精神を病んでしまっている)ルナ。<紫吹淳

彼女の昔の恋人?淡い想いを抱いていた実直、誠実な刑事、ディビッド。<市川右近

彼女を睡眠状態にして治療、謎を解き明かすドイツ人医師エドムント。<平田広明


フフフ。


大人のサスペンス。

絶対犯人バレられないぞ!


あぁオリエント急行みたいに、誰もが知る名作になったらいいなぁ。


エドムントがだんだんと謎に、犯人に迫っていくのを楽しむ話かと思いきや。


そこはやはり只者ではない藤沢作品、後半から人としての、深い深い深層心理の物語りとなって、どんどん、客席が引き込まれていっちゃうのね。


ボロボロの帆布が不気味にはためいて、深く霧が立ちこめて(ドライアイスがモクモク~)

本当にそこが大海原に漂う舟の上のように感じる演出。


実際、冷たく湿った風を感じて、こっちは始まる前からもうコワイ~。


変わってパブのシーンではパーカス美鵬さんが蝶ネクタイでバーテン風、実際にグラスの氷をステアして一瞬で温かなパブの喧噪を表現する。


平田さんも仰ってたけど、土屋さん達の創り出す音の世界は凄くて、SEまでやっちゃうのも鳥肌モノ。

ピアノとバイオリンとパーカスだけで、オーケストレーションのような壮大なスケール感とボリューム出してるのが本当に圧巻だった。


リカさんは、二重人格って初めてかな?しかも現れるのが男!イイ男!

充て書きですか?!しかもクラシカルなビスクドールみたいなヒラヒラドレスのままで繰り出す「男」にクラクラするよ!<これは新しい悦楽爆


精神病院のシーンでは、まだ暗い中から(座っている所から)もう身体が狂ってる。

この前のパガニーニの時も感じたけど、椅子にいる時からもう一服の絵、その人物の人影となって演じているのが凄いよね。


朗読なんだから踊りは一切無いんだけど、ラスト、音楽が盛り上がった辺りで何度か位置を変えて手や腕を動かしてポージングして魅せてくれた。

ニクイ演出、これだけでもう一場踊りを見たような満足が押し寄せる、恐るべしヅカトップの威力だ。



右近ちゃんは、実際の年齢より上の感じを求められてたのね。

人の良い、誠実に生きて来た、でもちょっと弱いとこもある?警部を、ちょっとしゃがれた声音で忠実に表現していてさっすが、おもだか一門、巧み者だよね~。


そだそだ、おもだか屋襲名おめでとう、来年楽しみです!


平田さん、もちろん有名な声優さんですから、どんなトーンで来るのか本当に楽しみだったんだけど、真面目で皮肉屋?ドイツ人医師は、ちょっと落ち着いたうんと大人になったカーター先生モード?

何度も叫んで強い声も、呟くような小さな声も間近で目の前で身体から発せられるのを見るのは贅沢なことなんだわ~。


終演後のカーテンコール、もちろん総立ちのスタンディングオベーション。


鳴り止まぬ拍手を止めてご挨拶の口火を切ったのはMC平田さん!

<ご指名とは言え可愛っ


藤沢さんを呼び入れた後、良く聞こえ無かったけど「いつも船にばかり乗って大変ですね…」みたいに振られたのを受けて


「いや、あっちの船じゃ宴会やったり楽しくやってますから…あ、スミマセン知らない人には何のコトやらわかりませんよね」って。


ちょm日本人で知らない人いるのかマジ!

私の友人(ヅカファン)は知らなかったけどね!

<マジいるのね中にはそんな人


劇場裏口、出待ちのヅカファン列に驚いていらしたのも新鮮。


寒空に整列して待つコッチを見て「うわ~スゴイね~~」って。


あの、貴方のほうが全然凄いんですけど!武道館一杯とか軽いでしょ!タイバニの舞台、チケ全然当たらない超プレミア天然記念物チケでしたよね!あ~ん虎徹さ~~ん!と叫びたかった。


右近さんは勘三郎さんのこともあったし、お辛いに違いないのに一切それを出さず、笑顔で淡々とお話されてたよ。<小さい頃から交友がおありだった藤沢さんもそれは一緒


リカさんは、パガニーニの時に舞い上がって興奮して語ってしまったことに触れ、今回は無難に短く纏めて(考えて来たのかな)しっかり発言してたよ。<二度目の余裕笑


サウンドシアター、これは、見て体験してみないと判らない。

ここまで書いててナンですが、それしか言えないよ。


ちなみに、パンフは脚本が付いて、(クリスマスプレゼント?)の布バッグに入ってた。


また、乗船しに行きたいな~。