弘法市で賑わう東寺の参道で
「お姉ちゃん、浴衣着るか?」
と、ゴロゴロ付きの鞄を引いたご婦人に声をかけられました。
一瞬なんのことだかわからぬまま
「はあ、夏になったら着ると思います」
と、間の抜けた返事をすると、そのご婦人がおもむろに鞄のチャックを開けて中味を取り出し
「ほんならこれあげるわ」
と、絞りの浴衣を差し出される、という出来事がありました。
その後、お代もお礼のかき氷(その日はたいへん暑かったのです)も辞退して、そのご婦人は人混みに紛れて消えていきました。
着物生活も、長くなるといろんなことが起こるものです。
そうしてワタクシの手元にやってきた浴衣はとても素敵なものだったのですが、ナゼか袖を通すことがないまゝ年月が過ぎ(在庫の持ちすぎで出番が回って来ないのよ
)「これはイカン!」と、昨年の夏、人に譲る決意をしました。
やはり、着物は着られてナンボですものね。
で、当時一緒に働いていたしゅうえいちゃんに持ちかけたところ、快く嫁にもらってくれました。
そのしゅうえいちゃんから、先日、浴衣姿の写真が届きました。

この夏に中国人会で着て、たいへん好評だったそうです。
初々しい着姿が可愛らしいですね。
そして、ワタクシの思惑通り、よく似合っております(ふふふのふ)
自分がきっかけで人に着物に触れてもらえる喜びを感じるとともに、この浴衣がこれからも彼女の夏の思い出に寄り添う存在になることを願う次第です。