学生の頃、基礎化学の授業で、何故か英文和訳の課題が出されて苦労したことがあります。
文章自体はさほど複雑ではないのですが、よく見る単語があまり一般的でない意味で使われており、フツーの(いや、むしろ若干残念な子の通う)高校でフツーに授業を受けたところで英語に背を向けた学生の感覚で訳を進めると、妙な日本語の文章が出来上がるのです。
専門用語の恐ろしさ、とでも言いましょうか。
結局、この課題は、誰かがどこかで和訳本を手に入れてきたので皆でほぼ丸写しして提出、という、アホ丸出しのバレバレ行動に出ました。
オイラは無事に単位をもらいました(専攻科目生でなかったのでオマケしてもらったかもしれません)が、他の奴らがどうだったかは覚えてません。
それから月日は流れ、ある日、以前の勤め先で、海外系列会社の人から送られてきた英文メールを見ながら、ふと
「“ソリューション”って書いてあると、どうしても一番に“水溶液”が浮かんでしまうのだよ。水なんか仕事には一滴も関係ないんだけど…」
と、理系学部出身の若者に言うと、はげしく同意してくれました。
一般的には、解決もしくは解決方法の意味で使われますけどね。
そんなわけで、たった一回の苦労をいつまでも覚えているという、思いの外後ろ向きなオノレに気付く一方で、両方の意味を合わせると、より、この言葉の性質が分かりやすくなる気がします。
解決って、目の前の問題が消えてなくなるのではなく、状態が変わるってことなんですね。
塩を水に溶かすと塩がなくなるのではなくて、肉眼で見えないほど小さく、そしてNa+とCl-というイオンに分かれて水と混じった状態で存在はしている、というように。
だから、悩み事が消えてなくなることをひたすら願っても、解決の日は来ないのかな。
なかなか簡単にいかないですが、自分をうまく騙して乗り切れるような状態の変化を、たくみにイメージできるような人間になりたいです。