飯場に住み込んで働くには、
現場で作業ができる身体さえあればいい。

鳶ができなくても土工はできる。

土工ができなくても現場の掃除、
飯場の飯炊きの手伝いはできる。
片腕でも片足でも、稼げる場所はある。
年齢、住所、経歴不問だ。

しかし、唯一、雇えない人間がいる。


それはシャブ中だ。

更生していても扱いは厳しい。
もちろん、そんな厳しい扱いの中、
更生しきった人間もいる。

飯場はシャブ打ちながら過酷な労働をする

というイメージが少なからずあるらしいが、
それは間違いだ。

ある日、新しく入った人間がシャブ中と判明。

解雇することになった。
真面目で、仕事熱心な感じだったのに残念だ。

シャブ中は働けないという理由だけではない。

シャブは犯罪だからという理由だけではない。

シャブが飯場内に拡散するのを防止するためだ。


汗水流して働いて稼いだ金をシャブにつぎ込む。

そんなにまでして手に入れたものを、
独り占めしていればよいものを
なぜ周りの人間に分け与え、薦めるのか?

シャブを正当化し素晴らしいものだからと、

分かち合いたくなるのか?
共有することで罪悪感を薄めたいのか?

未だに不可解な心理だ。


どんなに堕ちても、麻薬だけは手を出すな。

飯場ですら働けなくなる。