グラタン皿をオーブンに入れて中を覗きながら、
母が作るグラタンを思い出した。
母は若い衆の食事を作ってたくらいだから
決して料理が下手なわけでは 無いのだけれど、
いわゆるハイカラな料理は全くダメだった。
グラタンはインスタントのマカロニグラタンで、
ソースと茹でマカロニ、具を合えたものを
グラタン皿に入れ電子レンジに長時間かけていた。
そういえば肉や玉ねぎはバターじゃなくて
マーガリンで炒めてたな・・・
うちの電子レンジはオーブン機能が無かった。
そしてオーブンとレンジの違いがわかっていなかった。
わたしもどうしてうちのグラタンは
こんなにブクブクいってるだけで
焼き色がつかないのかと疑問に思っていた。
ある日、母はこれだ!とばかりに
スライスチーズをのせてレンジに入れた。
ブクブクいった後に確かに焼き色はついた。
ついたが焼き色というより、あきらかに焦げだった。
その電子レンジは十数年使っていたと記憶するが、
わたしに無理矢理クッキーを焼かれたり、
父に目玉焼きを爆発させられたり、
いろいろ悲惨な目にあっていた。
最期の方は火花と稲妻が出ていた。
あの電子レンジどうしたんだっけ?
母にオーブンを使わせてあげたかったな。
あの頃は稼ぎが少なかったから
オーブンレンジは無理だったろうけど
オーブントースターくらいは買ってあげられたのにな。
後悔してても仕方ない。
母の分までわたしがグラタンを焼くってことかな。