鳶さんたちにはよく遊園地に連れて行ってもらった。
御茶ノ水にある後楽園遊園地。
なぜ後楽園遊園地かというと、
場外馬券場が隣接しているから。
園内で遊ぶ時は鳶さんは見てるだけ。
わたしは妹と二人で乗り物に乗ってまわった。
若い鳶さんだと一緒に乗ることもあった。
遊んでる途中、鳶さんが居なくなることがよくあった。
当時、わたしたちは遊ぶのに夢中で、そのことに疑問は無かった。
今にして思えば、馬券を買いに行っていたのだろう。
ある時、たまたまテレビで「鬼畜」という映画を見た。
主人公の浮気相手の連れ子三人を
妻と共謀して鬼畜のごとく消し去っていくお話。
怖かったのだが、怖いもの見たさで最後まで見てしまった。
この映画を見て以来、後楽園遊園地に誘われると、
もしや両親に捨てて来いと頼まれているのでは?
鳶さんに「ちょっと待ってて、すぐ戻るから」と置いていかれると、
もしや、このまま戻ってこないのでは?
と不安に思うようになった。
なぜなら東京タワーで次男が
置き去りにされるシーンがあったから。
東京タワーに連れて行ってもらった時は
望遠鏡に夢中にならないように気をつけた。
望遠鏡を覗いている間に置いて行かれちゃうから。
この鬼畜という映画の影響力は凄まじい。
わたしの中で遊園地や行楽地は、楽しければ楽しいほど、
恐ろしい場所になってしまったのだから。