うちにもいた。いたと思う。いたはず。


ある日、日本人離れした若者が食堂にいた。

何者だと問うと、浅黒い肌の彼が言った。


「ひとし」


ワタシは自分の耳を疑い、もう一度問うた。


「ひとし」


解せないワタシは、

そばにいたブーちゃんやバラしゃんに目で問うた。


バラしゃんが言った。


「ひとしだよ、ひ~と~し。」


苗字は無いのかと突っ込むのを止め

「ひとしはひとしなんだ。そうかそうか。」と

自分を説得した。


ひとしはあまり働かなかった。


数週間後、ひとしは「こっちの方が楽しい」と言って

近所のフィリピンパブのバーテンになった。


パアラム ヒトシ。