わたしは公園のブランコではなく、飯場の敷地内に
若い衆が作ってくれたブランコで遊んでいた。
足場用の鉄パイプとクランプなどでできている。
乗り心地はなかなかのものだった。
洗濯干し場も同じような材料で作られていて、
わたしは毎日のように鉄棒変わりにぶら下がっていた。
鉄棒にしては太すぎるが、慣れとはすごいもので
前まわりぐらいは軽くできるようになっていた。
巷ではフラフープやホッピング、カラー竹馬が流行っていた。
ずっと、缶ぽっくりで遊んでたわたしは、
高さのあるカラー竹馬がどうしても欲しかった。
ある日、鳶のバラしゃん(ハツカネズミのひとり)が
竹馬を作ってくれるという。
喜んで出来上がりを待っていた。
バラしゃんが自慢気に持ってきてくれた竹馬は、
角材でできていた。竹馬ならぬ角材馬である。
高さの調節はできない。
カラー竹馬からほど遠い代物だ。
とても友達に見せられない。
しかし、わたしはバラしゃんの満面の笑みに
応えるべく角材馬に乗った。
手のひらが痛い。
角材を握り締めるのは厳しい。
しかも、ささくれ立っている。
バラしゃんは「おお、そうかそうか!」とばかりに
真っ赤なビニールの絶縁テープをとりだし
持ち手の部分に巻き始めた。
角材馬がカラー角材馬になった瞬間だった。