飯炊きは母がこなしていた。
3~40人分の食事の支度をする。
朝食は、ごはん、味噌汁。
おかずは納豆、卵、漬物などが
大皿に用意してあり、好きなモノをチョイス。
昼食は弁当。前の晩に作る。
アルミの弁当箱。
大きくて角ばった弁当箱にはご飯と梅干しの日の丸、
石鹸箱くらいの留め具がついた弁当箱には
肉中心のおかずが入っていた。
わたしは蓋を閉める手伝いをしていた。
母と一緒にするこの流れ作業が楽しかった。
夕食は、ごはん、味噌汁に加え、一皿おかずがつく。
メインディッシュはいろいろだ。
買い物は一苦労だった。
八百屋では1回の買い物が
ダンボール1~2箱になったりするので
届けてもらっていた。
肉屋でコロッケやメンチを買うときは、
数が多いので、揚がるまで待たなくてはいけなかった。
肉屋のお姉さんが優しくて、
揚げるところをいつも見せてくれた。
タネを小麦粉、卵、パン粉、と手際よくまぶし
フライヤーにすべり込ませるように入れると
じゅわじゅわと美味しそうな音を立てて浮いてくる。
そんな様子が面白くて仕方なかった。
魚屋で刺身の盛り合わせを買うときは、
魚屋のおじさんが、見事な包丁捌きを披露してくれた。
ツマやシソ、シソの実、菊の花などきれいに盛り付けていく。
「いいかい。シソの実を使うときは、
手のひらに乗せて、もう片方の手のひらでポンっと叩くんだよ。
そうすると良い香りがするからね。」
魚屋のおじさんが嬉しそうに教えてくれたことを
シソの実を見るたびに思い出す。