現代自動車が、かなり思い切った手段に出てきました。

中央日報
現代車「超低価格車を開発中」

中国で低価格車の販売を計画しているという記事なのですが、気になったのは以下の部分。
「エンジン排気量は1000cc級で、これまで米国輸出基準に
合わせて開発してきた安全・耐久性基準を大幅に緩和する。
中国現地でほとんどの部品を調達し、
エンジンなど保証期間も現在より短縮する。」

私はこれを読んで「いまどき?」と驚きました。
現代自動車の方針は、安全面を大幅に犠牲にしてでも、とにかく低価格で沢山売れる車を作りたいということ。
しかし・・・
広く沢山売れる低価格車だからこそ、安全面を疎かに出来ないはずでは?
韓国企業は、利益優先でユーザー軽視なのでは?

・・・といいつつ、かつての日本の自動車メーカーも似たようなものだったので、私も偉そうなことは言えません。

その昔、カローラやサニーといった低価格車にはエアバッグやABSはもちろん、サイドビームなどの安全装置をほとんど付けず、もっと以前は3点式シートベルトすら無かったし、さらにもっと以前はヘッドレストや合せガラスすら採用されていなかった。
ただし、これは20年以上前の話で、シートベルトは30年以上、ガラスは40年以上前の話です。
1940年代から自動車の安全性能重視だったスウェーデンの2メーカーを除けば、1970年代まで世界中の自動車メーカーは安全性能よりも機能性やデザイン性を重視していました。
安全なクルマを作ることで有名なドイツメーカーでさえ、本気で安全性能を重視し始めたのは1980年代からです。
日本メーカーはさらに遅れて、1990年代から安全性能重視に切り替えました。
2000年頃からは最も安価な軽自動車でさえ、安全面を重視しています。
各メーカーが安全性能を重視しているのは、それらが商売になるとわかったから。
つまり、ユーザー側の要求というか認識の変化が要因でした。

経済発展の著しい中国でモータリゼーションが起こるのはすぐそこです。
かつての先進国がそうだったように、中国人の意識には当面の間は安全や環境という概念は無く、自動車を所有すること自体に喜びやステータスを求めるでしょう。
しかし、ユーザーが気が付いていないからといって、安全を軽視した製品を売っていいのだろうか?
日本人は自動車によって起こる悲劇を知っています。
日本だけでなく既にモータリゼーションの起こった国の人々ならば、誰もが知っているはず。
当然、韓国人も知っているはずです。
なのに、低価格を実現するために安全を軽視するのは、大問題では?
それとも、今まで韓国メーカーが配慮してきた安全性能は、実は売るために仕方なく備えていたものだったの?
ただでさえ、多くの韓国車の安全性能は高くない事で知られているのに?

日本で売られている欧米車の安全性能は、本国のものと同じです。
逆に海外で売られている日本車の安全性能は、日本のものと同じです。
(※一時期、アメリカの5‐10マイルバンパー基準など特殊なケースはありましたが、本国仕様と輸出仕様は基本的に同じです。)
これは人命に関わることなので、ごく当たり前のことでしょう。
しかし、韓国メーカーは売り先に合わせて安全性能を大幅に変えようとしています。
安全にうるさい国には、安全なものを。
うるさくない国には、それなりのものを。



私の知る限り、売り先に合わせて安全性能を変える自動車メーカーは、

今も昔も、現代自動車以外に聞いたことがありません。