「お義父さんも義母さん、いつもすいません」

 「いいのよ穴茄子さん、気にしないでちょうだい。好きでやってるんだから」

 「助かりますわ」

 

というふうに、トイレットペーパーや洗濯石けん、ちょっと買うのが面倒な日用品や牛乳など重い食品を持って来てくれたり。何か持ってくるものを前もって電話してくれたり。嫌味一つ言われたことがない親切な義父母の気づかいと援助は大がかりでお金がかけたものよりずっとありがたかった。

 

夏は暑すぎ、冬は寒すぎの4階のDachwohnung(ダッハボーヌング、屋根下のアパート)から1階のAltbau(古いアパート)へ。2009年に今のReihenhaus(ライヘンハウス、長屋)の1軒を購入し、2年後にムスメ誕生。ムスメの完母育児に大変で義父母との外出は減りましたが、あれこれと持って来てくれました。でもそれから数年、徐々に「感謝」に「迷惑」が混ざり始ます。さらに不規則な生活により、夫婦で旅行にも行っていた義父母自身にもマイナスの変化が(それは次回に)。

 

その原因は義母が当時ハマッていた商品やGutschein(グートシャイン、商品券)の懸賞。欲しい物に応募、ではなくてタダで当たるから何でも。当選したからと言って、バターケース(WMFだったのですが、バターはあんまり使わない)とか持ってきました。使う物だけしか欲しくない性格で、『物』はたくさんないらない。服でも食器でも、何でも。たまにならまだ我慢できましたが、来るたびに懸賞で当てた『物』が増えていく…。

 

ある日、義父母の家(オットーの実家)を訪ねたときも、スパイスのセットなど、当選した『物』らが開封もされず興味なさそうに置かれたまま。

 

これは……アレだ。

 

義母は景品に喜ぶのではなくて、応募してナニカに当たる喜びに依存していたのです。義父は止めることもしなかったで、依存がエスカレートし……

 

「お義母さん、この名前は…?」

「ああ、それは私のミドルネームを使ったの、これは私のニックネームよ。〇・X・穴茄子なの。だから大丈夫。」

 

それがとうとう悪化して……

 

 「お義母さん、この名前は…」

 「当たるかな程度に思てったから適当につけて応募したの。」

 

そう。義母はファーストネームに偽名を使ってまで懸賞応募していたのです。しかも、ムスメにと言ってドラッグストアのベビークラブの入会時にもらえる無料お試しセットも偽名で。開いた口が塞がらないというか、ゾッとしました。怪しげな懸賞サイトで個人情報だだ流ししていた義母のこと、このままだったら自分達の名前も使われるかもしれないと思いました。

 

 「絶対に私達の名前を使わないで下さいムキー!」

 

ってその場で義母にハッキリと言いました。何かよからぬことを考えていたのか、私がそう言うとそんなことしないって焦ってました。それからも連絡なく当選したからと大きな旅行カバンを持ってきたり、どこぞのメーカーのロゴ入りの宣伝用リュックサックとか。しかも物についた煙草の臭いもきつくなっている。

 

そこで限界がきたので息子であるオットーに、

 

 「もう景品いらないから持ってこないでとハッキリ言ってイラッ!」

 

と言いました。それでもまだ景品+いらないキッチンなどのグッズ+食べきれない菓子+煙草の臭いを持ってくるので、

 

 「すいません、使いません真顔

 

と持って帰ってもらいました。まあそれからは景品類は少しずつ持ってこなくなりましたが、何回言っても相変わらず穴茄子家では不要な『物』は持ってきました。

 

どうして義父母を嫌いになってしまったのか。それはこの懸賞依存の問題もありましたが、このあとに起きたことが直接の原因でした。

 

 

明日はムスメの学校で担任の先生方とお話し合いがあります。約20分ほどらしいですが、ムスメの『中間成績』を聞いてきます。

 

それとこの続きはまた来週にでも。