お家にやって来たのは20代後半のなかなか好青年の鑑定士さん。それは残念ながら何の関係もなく、早速ムスメの検診結果を。
検診モノの結果は大抵どれも同じようなものです。何かを、正確に、計測するのは発達障害児にとっては非常に難しい。背を測るにもぶらぶら動いてひと苦労。集中力と落ち着きなくて中断、理解できないからいくつかの質問を飛ばす。発達障害児用の『言語フリー』のテストでもなかなか上手くいかない。知らない環境でやろうものなら、そこに気がいってテストが成立しない。だからこのかた最初から最後までテストできた試しはなく、それ故、正確な知能etcはわかりません。
鑑定士さんの検診もやっぱりそんなものでした。幼稚園の慣れた環境でしたが、集中しなくて早く終わらせたいから適当に回答とか、理解できなくて質問を飛ばす、あと色々。大雑把に言うと知能は標準より低め。
居住州の発達障害児のための学校の種類は、Sprachschule(言語障害が主な学校)、Schwerpunkt schule(インクルージョン学校)Förderschule(特殊学校)など。生活に困難な発達障害児には寮制の学校もあります。
私達の希望はFörderschule(特殊学校)。最近、ドイツでもインクルージョン教育が主流になりつつありますが、インクルージョンを行う学校はムスメには難しいでしょう。何もできないということはないんです。自立はそこそこできていますが、周りの注意と根気が必要なんです。療育という専門的なことをあまり知らない教師が人一倍に手がかかるムスメを『たくさん』の子供と同時進行で気を配ることなんて無理です。前の幼稚園で加配の経験もありますが、加配が変えれば保育士は加配のようにはできない。ネガティブなこと言えば、インクルージョンの名のもとに、こうした発達障害児のための学校が予算削減のためにどんどん消えているのです。そして教師の負担も増えていっているのです。
通常の学校は平均15〜20+の児童で教師1か2人。Förderschuleは障害を持つ児童のために8人という低人数で教師が2〜3人。全ての生徒ではありませんが言語と作業療法もあり、プール、学習が困難な子供達に合わせた環境。
お目当ての学校にオープンキャンパスの日があったのでムスメを連れて見学に行ったことがあります。思ったよりも大きく、好印象。
取り敢えず、私とオットーは前から事前に決めていた『●●Förderschuleでお願いします』という固い意思を伝えました。
それではまた。