カルチャーセンターを出た私。
「あかんわ、コレ……」
独りつぶやく。
筆記試験はテキストブックと似た問題でなかなかのデキだと思っていましたが、口頭試験のあまりにも無残な結果に惨敗感でいっぱいでした。外は真夏の午後。暑くても、木々も人も生き生き。でもそれらが私にはすべて黒い死界に見えていた…。
すぐにオットーにSMS(ショート・メッセージ・システム)。「とにかく検定は終わったんだ、あとは待つだけ。心配ない、合格に決まってる」なんていう慰めのお言葉。家に帰るとムスメが「ママ、ドイチュ・シューレ(ドイツ語の学校)?」と笑顔でお出迎え。義父母も「大丈夫だよ」なんて慰めてくれる。
全員が私が合格すると思って……ウウゥ。
合格ラインは合計300点の60%、180点。半分ちょっと取れば合格なんですが、私にはそれすら取れていない気がしてました。
合否通知は約4週間後。それからは悶々とする日々。あとからあとから「あー、あそこはもしかすれば◯◯のほうが良かったかもしれない」「あー、あそこは間違えたかもしれない」「書き取りも自信がないからきっと筆記は◯点ぐらいで、口頭なんて半分の◯点もいっていないから…あー、だめだ」「いやせめてぎりぎりの180点でもいい」なんていうネガティブな考えしか湧いてきません。
ところが4週間経っても合否通知がくる気配がない。悶々とする日々も限界に達し、カルチャーセンターに電話。秘書さん曰く、
「通知はもう来てます。でもダイレクターの署名が必要なんですが、彼は昨日まで夏休みで今日から出勤なのであと数日してから送ります」
とのこと。あれほど頑張って勉強したのに、散々な結果で人がどんな気持ちでこの夏を過ごしたのかわかってるのかあ!と叫びたい気持ちを抑えつつ丁寧に了承。
その数日が4週間の悶々よりも辛かった。自分にはや不合格宣言。
そして秘書さんが言ったとおり、本当に数日後には郵便ポストにカルチャーセンターからA4の封筒が。
不安で胸がどきどき、目眩もするような…。一気に封筒から合否通知を取り出して私の目が見たものは…↓

合格!?
それも『SEHR GUT(優秀)』で!?
『Mündliche Prüfung(口頭)』はほぼ満点っていったいどういうこと!?
その結果に1人その場で飛び上がっては小躍りしてました。
こうして見れば苦手だった「Sprachbausteine(穴埋め)」と「Schriftlicher Ausdruck(作文)」が点数が低く、「Hörverstehen(聞き取り)」は思っていたより少ない点数でした。
オットーにSMSすると「言っただろ」とあっさり。
『わからない、なんでだ?』という言葉で頭がいっぱいでまた悶々としました。
帰化をするにあたって最大の難関とも言えるこの『Zertifikat Deutsch (ドイツ語能力検定)』。
本気で不合格と信じていたのに、思いもよらずこんな良い結果で合格できたのは心から嬉しかったです。
それではまた。