歩くようになった2歳過ぎから家の中で常に何かを探しているように動き回り、外出中でも同じ。
オモチャをすぐ口に入れ、オモチャを散らかすぐらいの程度でしか遊べない。
ごく簡単な言葉で説明してもまったくわからない態度。
一人遊びができない(集中力がない)。
その当時はまだ『多動』という言葉が浮かびませんでした。
この時期のムスメは落ち着きなく喋れないどころか、何を言ってもわかっていないようでした。言い聞かせるために目線を合わせようとしても、視線をそらしてヘラッと笑うだけ。まさに「暖簾に腕押し」な状態。
それはもしかしたら…、
聴覚に問題があるかも、ということで聴覚検査。でも起きている状態では説明が聞けない、ヘッドフォンを嫌がってとても無理。全身麻酔で検査をすることに。結果は異常なしでした。
脳の活動が問題かも、ということで2回、起きた状態で検査。もちろん説明にパニック、頭にヘッドギアを嫌がってとても無理。もとからムスメは頭を触られるのがイヤなのです。結局は軽い睡眠薬を飲ませて検査。結果は異常なし。
そのちょっと前。2歳検診のとき、言葉の発達が遅いので4ヶ月ごとに再度チェックしましょうということに。4ヶ月後、ムスメの言葉の発達は検診のときからあまり変わっていませんでした。そこでいわゆる『療育センター』を紹介してもらいました。
まずは本センターの小児科医師がムスメを診察。診察室でもムスメは落ち着かずうろうろし、机のものを取っては口の中へ入れる。私達2人で医師の話を聞くのが不可能なので、オットーが医師と話をし、私はムスメ担当。
病院、バス、どんな待ち時間でもムスメはどこに行くかわからないので数分の待ち時間がとても辛かったです。
その診察後、緊急ということで私の住んでいる町にあるセンターの支社に急遽通うことになりました。
言語聴覚士さんと作業療法士さん、そして3人の子供のグループ。みんな言動に遅れがありました。ムスメはやっぱりそのグループでも端から見ているだけか、落ち着きなくうろうろしてはマットレスなどを引っ張り出して遊ぶ。みんなで歌を歌いながら輪になっても、1人だけ別行動。みんながやっていることに興味はなく、「自分1人」の世界にいて楽しんでいるような感じでした。
そしてそのうちに他の子供達は喋れるようになり、コミュニケーションも上手くなっていく…。
ムスメはほとんど変わってはいませんでした。
療育センターでは年に1回、発達の状態を見るテストをするのですが、何を言われているのかわからないのでテストが行えませんでした。
それから他の子供たちは『卒業』し始めます。また新しいグループに入れるまで言語聴覚士さんと一対一でのセラピー。でも子供はなかなか集まらないし、言語聴覚士さんも休みがちになって終いには謎の長期『病欠』。
ムスメの療育に支障が出始めそうでした。療育センターの医師と連絡を取り合い、同じセンターの別のグループ・セラピーにまた急遽入れてもらえるように。
新しい言語聴覚士さんと『Heilpädagogik(治療教育)』の先生、そして4人の子供。治療教育をする先生は自閉症の子供達と関わり、親のための悩み相談もやっていて、私も何度かお世話になりました。その先生曰く、毎週ムスメは良くやっているのだそう。
それから少しすると、グループ・セラピーに加えて言語聴覚士さんと1対1のセラピーが開始。ムスメでもできるようにハーモニカを吹くような遊びを入れて口まわりの筋肉を鍛えたり。
そのうちにもう1人の子供が加わったのですが、言語聴覚士さんによれば、ムスメは個人セラピーがよいと言われました。なぜなら、ムスメの注意がとても散漫なので2人だとムスメに十分注意がいかないからだと。でもその時は言語聴覚士さんのスケジュールはいっぱいで個人セラピーは無理でした…。
そして療育センターに通って少ししてから、幼稚園から入園許可の電話がかかってきました。
そのお話はまた次回に…
それではまた。