



エンジンを始動してしばらくすると冷却水温が急上昇し、通常走行ができない状態です。オーバーヒートはエンジン本体に大きなダメージを与える可能性があるため、すぐに診断を進めていきます。
まずはOBD診断機を接続し、故障コードや各部の作動状況を確認しました。その後、ウォーターポンプ周辺を分解し、実際の作動状態を点検していきます。
点検の結果、ウォーターポンプのシャッターが本来の制御とは異なり、勝手に閉まってしまっている症状を確認しました。
この状態になると冷却水が正常に循環できず、エンジン始動後すぐに水温が上がってしまいます。今回の症状も、このウォーターポンプのシャッター制御不良が原因と考えられます。
さらに点検を進めたところ、シャッター制御に関わるソレノイドバルブの故障と判断しました。
ただし、通常ソレノイドバルブ自体は単体で壊れにくい部品です。そのため、ウォーターポンプ側から冷却水が吸い上がり、ソレノイドバルブ内部に水が回ってしまったことで、ソレノイドバルブが故障した可能性が高いと考えられます。
このパナメーラに使用されているV8ターボエンジンは、ベントレー、ランボルギーニ・ウルス、ポルシェ・カイエン、アウディQ7などにも使用されているエンジンです。
世界各国でも同様の症状が発生しているようで、ウォーターポンプ周辺やシャッター制御系のトラブルは注意が必要なポイントです。
今回は、ソレノイドバルブ、ウォーターポンプ、その他周辺部品を発注し、部品が揃い次第、修理作業を進めていきます。
エンジン始動後すぐに水温が上がる、オーバーヒート警告が出る、冷却水温が安定しないなどの症状がある場合は、早めの点検をおすすめします。
ポルシェ・パナメーラをはじめ、同系統のV8ターボエンジンを搭載したカイエン、ウルス、ベントレー、アウディ系車両で同じような症状にお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。