「小さな巨人」を見た元刑事の解説~第二話、三話 | 刑事塾 詐欺、採用面接、営業で騙されない、ウソや人間心理の見抜き方講座

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「小さな巨人」を見た元刑事の解説~第二話、三話

 

4月にスタートしたTBSドラマ日曜劇場「小さな巨人」

このドラマは警視庁捜査第一課を舞台にして、ある出来事で所轄に飛ばされた香坂真一郎刑事(長谷川博己)が小野田義信警視庁捜査一課長(香川照之)に嚙みついて本来の刑事としての反乱を起こすドラマです。

 

第二話、三話を見た解説です。

 

その1  捜査一課と捜査二課は水と油なのか?

 

これはそのとおりです(笑)

私は捜査二課に長く席を置いていましたが捜査一課との付き合いはまずありませんでした。捜査一課はいわゆる発生ものを扱うのでスピードが勝負です。みんなでわーと現場に行って犯人を捕まえ、わーと解決するというイメージ。一方の捜査二課は贈収賄事件や選挙違反など自分らの足でネタを探してじっくり内偵をして捕まえるというイメージですから捜査の手法も違うわけです。

 

また捜査一課は切った張ったの単純な事件が多いのですが捜査二課は銀行捜査をしたり、帳簿を見たり、複雑で難しい事件が多いのです。そんな意味でも水が合わないということになり水と油は間違いではありませんね。

 

その2  香坂真一郎刑事(長谷川博己)が独自捜査しているのがあり得ない。

 

香坂刑事の階級は警部です。あの署では刑事課長(千葉県では刑事課長。警視庁だと課長代理)の立場です。所轄は雑多な事件を沢山抱えています。特に強盗、傷害などを担当する強行係、詐欺、横領を担当する知能係、泥棒を担当する盗犯、暴力団犯罪を担当する暴力係などを束ねており、日頃はバタバタしています。

 

変死があれば刑事課長も現場に行く時もあるし、オレオレ詐欺で犯人をおびき出して逮捕する時には現場で指揮する時もあります。とてもじゃありませんが本部のあの事件に時間を割いている暇はないと思います。あの状況だと所轄本来の事件に全く対応していないということになってしまいますしね。

 

ですからドラマでは香坂刑事本人が連日のようにあっちこっちに出かけていますが絶対にありえないです(笑)

刑事課長は黙って机に座り、何か事件があれば指揮を執るという立場なのです。

 

その3  副署長が香坂刑事にどやされるのもあり得ない。

 

副署長が証拠品のDVDを勝手に持ち出すのもあり得ないし、それを見つかって部下の香坂刑事にどやされるのもあり得ません(笑)警察は階級社会ですからどんな理由があっても直属の上司に文句を言うというのは考えられません。

 

あのケースは異常なので許されるかもしれませんが、普通なら絶対飛ばされますね。それだけ厳しい上下関係なのです。あのケースだと署長に直ちに報告するしかないでしょうね。しかし本部に栄転したいから捜査一課に媚びを売るというのもないわけではないと思いますが、証拠品を差し出すというのはあり得ないでしょうね。

 

以上です。また読んでくださいね。