世間を賑わした理研のSTAP細胞問題。
私は4月に小保方晴子さんが記者会見を開いた際、「彼女はウソをついていないように見える」という内容のブログを書きました。
こちらです。
このブログは日刊スポーツやテレビ、ラジオでも取り上げられ「ウソを見抜く専門家は彼女はウソをついていないと言っている」などと紹介され、これまたエライ騒ぎになりました(汗)。
それだけこの事件に世の中が注目していたということなのでしょう。
さてこの問題は先日、理研の検証実験結果が発表されました。
結論からいうと「STAP細胞の論文で示されたデータと一部、類似するデータは得られたものの、論文の根幹部分である万能性を裏付けることは全くできなかった」ということでした。
つまり「ウソかどうか」で判断すると「すべてがウソではないが肝心な部分でウソがあった」という表現になるのかもしれません。
私も自分の見解をブログに書いた以上は責任がありますので一連の新聞記事もじっくり読んでみました。今日は私の思うところを書きますね。
ちょっと「ウソがどうか」という論点とはずれてしまいますが、まずこの問題は「理研の構造的な問題が原因」であろうと考えました。
なぜ共同研究者・理研が十分なチェックをしないまま、論文が作成され、英科学誌ネイチャーに掲載されてしまったのか? 実績が殆どなかった小保方氏の単独論文であれば充分な信頼は得られず、ネイチャーへの審査も通らなかっただろうと言われています。
つまり、彼女の信頼を補完する意味で笹井芳樹・理研副センター長(8月に自殺)、若山照彦・山梨大教授、チャールズバカンティ・米ハーバード大学教授ら、世界的に著名な研究者が、論文の共著者に名を連ねたことが大きいのです。
小保方氏の実験結果をこれらの方々がもっとしっかりと確認してチェックしていたら、そもそもネイチャーに掲載されることもなく、STAP細胞がこんなに注目されることはなかったのです。
つまり彼らの責任は重大であり、実験結果のチェック機能を始め、理研の構造的な問題がそもそもの原因ではないかと思うわけです。
では小保方氏が「新たな万能細胞」と主張したSTAP細胞とはなんだったのか??
ある大学の教授によると「ES細胞などの取り違えや混入があったのでは」と指摘しています。ここで細かい説明は避けますが、つまりSTAP細胞と似たような細胞であるES細胞と見誤った可能性もある、というのです。
私は4月の彼女の会見を見て「ウソは言っていないだろう」との見解を出しました。
それは彼女を見る限り、
・自律神経信号が出ていない、つまり汗をかいたり、顔が赤くなったり、手が震えたりというウソのサインが見られない。
・記者の質問に対する答え方を見ると考えるための前置きがなく、すぐに答えている。~ウソつきは答えを出すときに時間稼ぎの前置きが必要である。例の号泣県議は「えーーー、あのーーーー」や「質問を繰り返す」などの前置きが必ずあった。
・彼女のしぐさ、言動などは猪瀬知事、号泣県議の会見とは明らかに異なる。~後に彼らはウソを認めている。
という理由からです。
但し、ここで問題なのは彼女が「STAP細胞ができた」と誤って認識している場合です。
これはウソのサインは出ません。
つまり、本当はES細胞であったのに関わらずそれをSTAP細胞であると彼女が誤認していたケースです。
簡単に言うと真実は赤い車であったのに「私の見た車は青い車でした。」と証言する目撃者の供述と同じです。
この目撃者は明らかに誤認していますからウソはついていません。青い車と信じ切って話しており、そもそもウソはついていないのでウソのサインが出るはずがないのです。
つまり小保方さんもこれと同じ思い込み、誤認であったのではないかということが推測されます。そしてその誤認は論文共著者の保証によって益々深まり、彼女の自信にもなってしまったのではないかと。
ウソというのはウソをついた本人が「ウソでした」と言わない限り、ウソだと確定することはできません。
あくまでも推論であり、グレーのままなのです。
小保方さんは残念ながら責任をとって理研を退職されました。今後、彼女の口からこの件について話を聞くこともないでしょうから、この問題は闇の中に葬られるのかもしれません。
いずれしても世間を騒がしたSTAP細胞問題はある一定の結論が出ました。
退職された小保方晴子氏が今後どんな人生を歩まれるのかわかりませんが、ある意味で彼女も組織の犠牲者でしょう。
どこかで会うこともあるかもしれませんが、奇異な目で見ることなく、彼女の今後を温かく見守ってあげることが我々にできる唯一のことではないでしょうか。
小保方さん、頑張ってください。