ふとした瞬間に胸がざわつくことってある
理由が分かっていても
分かっていなくても
じわじわ広がるあの落ち着かなさ
夫が長期出張から帰ってきた数日後
まさにそんな感覚になったんだ
ここから
私の心の揺れが始まった
夫の勤務スタイルが変わって
拘束時間が長くなった分
休みが私と合わなくなった
夫の自由な時間が増えることに
モヤモヤしていた
1人の自由時間が長いと
何をしでかすか分からない
私以外の女と…っていう疑い
もう
そこにしか意識が向けられなくなって
苦しかった
そんな状態だから
「夜にスーパーに行ってくる」という言葉だけで
不安が一気に押し寄せた
本当はスーパーじゃなくて
女に電話してるんじゃないかって
ムスッとして拗ねて
会話もしたくなくなった
すると夫も
私の態度に腹を立てた
もうさぁ…
夫の顔色を伺うのも
疑うのも
正直疲れた
それで
カウンセリングを受けたいと思ったんだ
視野が狭くなってるし
思考のクセや偏りって
自分では気づきにくいから
でも
夫は心の学びに反対してる
昔「そんなにハマるなら離婚」と言われたこともあって
話すのがめちゃくちゃ怖かった
3年前の家庭内別居の記憶も重なって
「離婚になるかもしれない」という恐怖で
いっぱいだった
でも
自分のしたいことはしたい
自由に動きたい
それだけは大事にしたかったんだ
面倒くさそうに
スマホを見ながら話を聞く夫
呆れたような空気もあったけど
それでも私は話したかった
涙が出たり
笑ったりしながら
少しずつ胸の奥にあるものを言葉にして伝えた
夫が夜に
1人でスーパーに行くことが怖い理由も伝えた
女に電話してるんじゃないかと疑ってしまい苦しくなること
あの時みたいに
帰ってこなくなるんじゃないかと怯えること
3年前が何度も思い出されること
話しているうちに
夫も
溜め込んでいた言葉を吐き出し始めた
これまで怖くて避けてきた「ぶつかる」ということを
ゆっくりやってみた
そしてね
離婚の話なんて
一度も出なかった
わかってもらえたわけじゃない
だけど
“伝えられた”ことで満足している自分がいたんだ
怖かったけど
怖い先には
違う景色がちゃんとあったんだよね
自分に正直に
本音で話すって
ほんとうに怖い
でもその先には
これまで見えなかった世界が広がっているんだと感じた夜だった