「気分よく過ごしてね」
「出したエネルギーが返ってくるよ」
「感謝・愛・祝福の波動でいよう」
そんな言葉を、セッションやスピ系の本でたくさん見てきた。
私もそれを信じて、頑張って、気分を上げようとしてた。
嫌なことがあっても、すぐに「ありがたいこと探し」をして、
怒りや悲しみが湧いてきた時も、「そんなこと思っちゃダメ」って押し込んで、
とにかく“いい気分”でいようとしてた。
そうしないと、また嫌な現実が返ってくるって思ってたから。
必死だった。
笑えてないのに、笑おうとしてた。
嬉しくないのに、「私は幸せ」って唱えてた。
一瞬はそれで楽になることもあった。
でも、そのあと、また戻るんだよね。
イライラ、もやもや、不安、不信感…
それってつまり、ちゃんと感じきってないから、
奥に残ったまま、何度でも顔を出してくるんだよね。
「気分よくいる」って、
感情を押し込んで、上書きすることじゃないんだ。
イラッとしたら、「あ、今、イラッとしてるな」って気づいて、
モヤっとしたら、「ここが引っかかってるんだな」って、
その感じを、身体のどこで感じてるのか探してあげる。
私は最初、これが全然できなかった。
感じるのが怖かった。
泣きそうになるのも嫌だった。
でも、感じずに飛び越えようとするほど、あとで苦しくなった。
だから最近は、ちょっと立ち止まるようにしてるんだ。
「ねえ、どうしたかった?」
「何が悲しかった?」
「何が一番つらかった?」
って、自分に聞いてみる。
ときには、ノートに「ふざけんな!!!」って書き殴ってみたり、
ひとりになった時に枕を殴りまくって、声にならない声で叫んだり…
そうやって、ちょっとずつ、自分の本音を取り戻してきた気がするんだ。
無理やり気分をよくしようとしなくていい。
むしろ、自分の本音を無視してまで“いい気分”でいようとすると、
どんどん、自分の感覚が麻痺してしまう。
「気分がいいことを選ぶ」って、
その場で“笑ってるふりをすること”じゃなくて、
ちゃんと自分の感情によりそってあげること。
その先に、本当の意味での「気分のよさ」があるんだって、
今なら少しだけ、わかる気がしてる