金曜の夜。
明日は娘のオープンスクールに、三者面談。
予定を確認しながら
「また母の出番かぁ」と思ってた。
そのときふと、
少し前にもらったボーナスのことを思い出した。
「明日、一緒に出かけて
プレゼントを選びたいな」って
こっそり楽しみにしてたんだ。
ちょっとしたデート気分。
夫が喜んでくれたらいいなぁって。
だけど…
「何が欲しい?」って聞いたら、
返ってきたのはまさかの一言。
「うーん、欲しいものないなぁ。
強いて言うなら……自由な時間?」
えっ!?
ちょ、待ってよ。
私の方が自由な時間ないだろうがい
心の中で全力ツッコミ。
でもね、不思議と
その言葉がじわじわ効いてきた。
もしかして、私も同じように
自由が欲しかったんじゃない?って。
「あーもう、私だって自由が欲しいんだよ!」
そう思った瞬間、
なんだか心の奥がパーンと弾けた。
そしたらね、
その奥からポツポツと、
“本当にやりたいこと”が浮かんできた。
モデルさんみたいに、
プロにメイクしてもらって
お気に入りの服を着て、写真を撮ってもらいたい
いつもの私よりちょっとだけ美しくて
ポーズとか決めながら
ワクワクしてる自分を感じたい
夢を言えば…
素足で砂浜を歩きながら
風になびく髪ごと、写真に残したい
結婚式の前撮りのときは
恥ずかしくてうまく楽しめなかったけど、
今ならちょっと違う気がする。
「私が主役の時間」
味わってみたいんだよね。
ネットで調べてみたら、
ロケ撮影はちょっと予算オーバーで
正直、「スタジオでいいかぁ…」って
がっかりしかけたけど、
いや、待って。
「これだけは絶対に削りたくない」
そう思ったのが、
メイクはプロにお願いしたいってこと。
ぜったいに叶えたい部分は
ちゃんと守ってあげようって思った。
それに気づいたら、
なんだかスッと肩の力が抜けて
心が晴れた。
自由な時間って、
誰かからもらうものじゃなくて
自分の本音に気づいて、選ぶことなのかも。
「自由がほしい」
っていう心の叫びの奥に、
私の願いがちゃんとあった。
私たち夫婦は、たぶん
まったく違うようで、
実は同じことを感じてたんだね。
まずは、
メイクしてもらって、
自分のためにリップをひく。
そんな小さな「自由時間」から
はじめてみようと思う。