やっと退院が決まったので、久々にブログを書きます。
「お兄ちゃん」こと長男は
染色体異常8pマイナス症候群のため、
気管切開や人工肛門、胃ろうを持ち生活しています。
今回の入院も、麻痺性の腸閉塞。
開腹手術をしたことがある人は
内臓が空気に触れてしまったことで
腸が癒着があるさしく、
たびたび起こしてきた症状。
治療法は、食事を一時止め、点滴で過ごし、
消化器官を休めること。
そして、ほんの少量の水分から、
胃への注入を再開して様子をみます。
もう2週間になります。
やっと今週末に退院予定です。
看護師さんたちには、いつもお世話になっております。
今日は、看護師さんとのエピソードを…。
☆☆☆
病棟の看護師さんは若い女性が多い。
多分、家庭を持つと外来勤務の方がいいのだろうなー。
看護師さんたちは、テキパキと手際よく無駄がなく、その分無駄話もしない。
もちろん小児病院だから、とても優しく可愛らしいのだが、
とにかく、無駄がないのである。
「覚えるために見せてください」と言われ、
デモンストレーションとして結局毎回私が人工肛門の袋の張替えをやっているのだが、
今日は胃ろうのチューブの工夫を、
いたく担当看護師さんが感心したのをきっかけに短い会話をした。
私は高尾から来ていること。
彼女は戸隠出身のこと。
川で遊んだこと、蝉の声、鳥の声、
サワガニ、カエル…
渋滞の環八や、新宿や、
そんな人だかりにいると
ああ、山に帰りたい、と。
そんなことを話して
楽しく盛り上がった。
若くて可愛らしい彼女は、
急に目が輝いて、
さっきよりもイキイキしてみえた。
病室は清潔で最新で、
モニターの音や
インスピロンのシューシューいう音ばかりだが、
彼女と私の胸には
鳥の羽ばたきや、さえずりが、
光る沢の冷たい水が、
緑の山の澄んだ空気が、
そこにあるかのように輝いて
そして、
私たちを幸福にしてくれた。
彼女は言ってた。
ああ、思い出せてよかった。
こんなお話が出来てよかった。
私も。そう思った。
ただ思い出すだけで、
山々は美しく
人はしあわせなのだ。