不確実性(リスク)と割引率②


標準偏差とは、データの平均値からのバラツキ度合いを意味します。


過去1か月の平均株価がともに100円の2社があったとします。A社の株価は90円から110円の間を行ったり来たりしていた一方、B社は50円から150円の間を行ったり来たりしていたとします。ともに年間の平均株価は100円で同じですが、今後この2社のどちらかの株式を購入しようと思っている投資家にとっては、A社のほうがリスクが低いと判断するでしょう。それはバラツキが小さいからですね。そのバラツキ度合いを数値化したものが標準偏差です。


ケース1、株価はコイントスによって決まるとします。表が出れば15ドル、裏が出れば5ドル、期待値は10ドルです。

ケース2、株価はコイントスによって決まるとします。表が出れば20ドル、裏が出れば0ドル、期待値は10ドルです。


分散を計算してから標準偏差を計算します。ケース1とケース2それぞれの分散は以下のとおりです。各データの値と平均値の差を2乗して合計します。


ケース1:(5-10)²+(15-10)²=50

ケース2:(0-10)²+(20-10)²=200


この値が高いほうが結果のバラツキが大きい、つまり、リスクが高いわけです。リスクが高いので、ケース1よりケース2のほうを低い値段で株式を売却したくなるのです。