住宅ローンの担い手が大手銀行からネット銀行に移っている。3メガバンクグループの有価証券報告書によると、2023年3月末時点の貸出残高の合計は33.4兆円と10年間で10兆円減少した。代わりに台頭しているのがネット銀行で、店舗に依存しない低コスト経営を武器に激しさを増す低金利競争をリードしている。ネット銀行の中でも勢いがあるのが、3月末に上場した住信SBIネット銀行だ。22年度の住宅ローン新規実行額は1.4兆円で、それぞれ1兆円以下の3メガバンクを大幅に上回った。人工知能(AI)を駆使することで審査にかかる費用を抑えている。実際、同行の変動型の新規貸出金利は0.32%と、3メガバンクで最も低い三菱UFJ銀行の0.345%を下回る。借り換えの場合は2.99%まで下がる。貸出残高も3月末時点で5.3兆円とみずほ銀行の7.5兆円に近づいている。


<au自分銀行>

KDDI通信サービスと電気の契約をすれば、変動型金利0.219%、借り換え0.198%


<PayPay銀行>

変動型金利0.319%、借り換え0.29%に下げるキャンペーンを始める


住信SBIネット銀行は、グループ内の生命保険会社と連携して団体信用生命保険の拡充に動くなどさらなる差別化に動いている。