今回の犯人は奥さん。
トリック的には同じ方法で、遠隔で殺害をしていた。
天井のシャンデリアにテグスを付けた剣を吊るしておき、手すりなどを通して、ピアノの下にある音叉を繋げておく。
演奏のため自分でピアノの様子を見に行った歌手は、音叉を拾うため低い姿勢になり、音叉を手にした時テグスが外れて吊していた剣が落下。背中に突き刺さる。
テグスの片方には重りを付けておいて、海にひっぱられ証拠のテグスは落ちていき証拠を消してくれる。
しかしテグスを通していたところには傷が残ってしまう。
でもこれでは奥さんがやったという証拠にはならない。
そこでピアノのそばにあった赤い液体。
あれはお土産の日本に一本しかない貴重なワインの雫。
あのワインはその場でみんなで飲んでしまったので、ここについているということは…
小五郎が奥さんにこぼしてしまったワイン。あれがバラのブローチの隙間にたまっており、細工をした時に落ちたものとしか考えられないと。
動機は過去に付き合っていたとき、彼が別れてくれなくて、崖から突き落とした過去があるというもの。
もし生きていたら…とずっと怯えていたが、まさか海外で有名な歌手になっているとは。
その歌手の歌、「ノクターン」の歌詞に込められた意味。
一見恋焦がれている様子ながら、出てくる花の花言葉は、恋人の裏切りに対して恨みつらみを向けている内容。
それを理解した彼女は、過去を暴かれるのではないかと恐れ、殺害することにしたらしい。
確かに奥さんのことを恨んでこの曲を書いたものの、時間がたつにすれ、そこまでさせるほど追いつめていたことを反省し、彼女をゆるすことにしていた。
なので今回の提携で、曲をオリジナルアレンジ。歌詞に出てくる花を変更し、正式な愛のノクターンとしてリリースするつもりだった。
この事実をもっと早く知っていればあるいは…
まぁ自分が殺したはずの人物が生きていて、目の前に現れるってさ、絶対怖いよね。
何をされるか。
いや、殺そうとしたのはいかんことやけど。
でも、その当時はストーカー規制法とかもなかっただろうし、なかなか別れてくれない。そういう状況もめちゃくちゃ怖いですよね。
犯行を肯定はできないけど、それだけだと同情の余地はあったかもしれない。
自分に否があったことも、歌手自身も気が付いていたみたいだし。
彼女のことを許し、不安にさせないようにしようと思うなら、先に歌詞をさりげなく伝えるとか。
とにかく前もって恨んでないこと、訴える気がないことを言っておかないとさ、全力で警戒されるだそうし、案の定今回の事件にね、なってしまうわけですよ。
なんだか難しいな、最初からストーキングみたいなことするなし、と、被害者を責めるのも不毛だし、
奥さんにしても、犯行はダメだけど、どっちもかなり恐怖だったと思うんですよ。昔の件も、今回の来訪も。純粋に悪だと割り切れはしないかも。
犯行はなかなかダイナミックだったけど。
そうそう、今回は奥さん、夫である会長に罪を着せようとしていた。
会長に恨みがあったわけではない。
ただ、もし自分が刑務所に入ったとき、秘書の女性に夫を取られるのでは…それを懸念していた。
もし夫が捕まったら、妻である自分が会社の代表になり、会社を切り盛り。
夫の帰りを待つつもりだったという。
それで夫の一生を変えてしまうようなことは、どうだろう。
奥さんも奥さんなりに、夫への歪んだ思いがあったのかもしれない。
皆様はどう感じましたか?