漫画のシリーズを紹介するのに、いきなり最終回の話をするというのはアレですが…
原作も完結、アニメシリーズも色々あり、たくさんの最終回があるルパン三世の中で、個人的にルパン三世Yの最終回が好き。
そこからこのルパン三世Yの魅力も紐解いていくことができるのではないか?そう感じるのです。
なので、いきなり最終回となりますが、お付き合いください。
前半はネタバレなしでルパン三世Y全体の魅力、後半は最終回のネタバレも交えて感想を書いていこうと思うので、未見の方はご注意ください。
■ルパン三世Yとは
そもそもルパン三世Yとはなにかと言うと、1998年からWeekly漫画アクションで連載されていた山上正月さんの漫画です。
いわゆる、公式同人ですね。
20巻まで出ていて完結しています。
ルパン三世Yは新シリーズとして、ルパンマガジンでも連載をしていて、新の単行本は1巻出てるのかな?
長編のエレベーター編がありますが、正直ここまでは追えてません。ごめん。
でもそれ以外は読みました。
■ルパン三世Yの魅力
個人的に、このルパン三世Yはかなり魅力的だと考えています。
ルパン三世を現代、あるいは近未来にアップデートさせた作品としてかなり高い完成度です。
アニメ5期などでもその試みがなされていましたが、ワルサーP38を使い続ける、昭和のアニメのパロディもりもり、フィアットに乗っているなどの記号はそのまま残し、キャラクター(キャラの信念や、ルパン三世が持つロマンそのもの)を大きく変えるという、悪い現代へのアップデートの例ではないかと感じます。
一方ルパン三世Yは、キャラクターの魅力はそのままに、記号は一部変更されています。
ルパンが使う銃がP38ではなくPPKになっています。
これには賛否あるかもしれません。ルパンといえばP38だろ!と。
しかし現代を生きる自然なキャラクターとするなら、アンティーク品にこだわる方が不自然なのかもしれません。
こう記号は変わっていながら、「ルパン三世」としての魅力はそのまま受け継がれている。
その世界観の完成度が高く、今の時代を生きるニュールパンとして受け入れやすい。
なのでアニメ新シリーズも、Yを原案にそのままやってほしいな~と思ってるんだけど、難しいんでしょうね。
複数回出てくる準レギュラーも魅力的なキャラも多いです。
公式同人の中でもこういう新しい世界観がありながら完成度が高い。
これはアクションでの連載だったから、という話をTwitterで見て納得しました。
ルパンとして以前に、マンガとしての完成度が求められていたのですね。
ルパン三世Y全体に興味がある方は是非読んでみてください!
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■ルパン三世Yの最終回
ルパン三世には様々な最終回があります。
原作では生死不明エンド。これも最終回的には王道ではないでしょうか。
アニメ1期は国外逃亡エンド。
2期はこれまでの活躍は偽だったんだぜ(裏設定?)エンド。
3期はなんか打ち切りっぽいエンド。
4期と5期はやんわりつながった話だったので、とりあえずその関わってた一件が解決エンド。
Yルパンの最終回はどのタイプなのか。
どれでもない感じというか、よりテーマ性が強い気がします。
【ルパン三世の最大のお宝】
上手く言えませんが、そんな感じですね。
ルパン三世は、ルパンが自身の刺激(ロマン)のために世界中のお宝を盗むという漫画。
その中でも、これ以上のお宝はおそらくないだろう…
トリック?というか、盗みの手段も最大級。
まさしく最終回にふさわしい最終回、私はそう思いました!(大げさ)
ここからは最終回のネタバレになります!
ご注意ください…
基本的にルパン三世Yは各話完結なので、最終回ネタバレしたからと他作品が楽しめなくなるわけではありませんが…
少し謎もある話なので、念のため…
さて、Yルパンの最終回。
ルパンが敵に捕まり、実験でバラバラにされてしまう(死んだわけではない)
そんなルパンを助けるため、次元、五ェ門、不二子は敵の元に乗り込むが、敵の兵器になすすべがなく、次元と五ェ門が死んでしまう。
不二子によってルパンは助けられた。
しかし相棒という代償はあまりにも大きかった。
ルパンは、相棒が死ぬ前の時間に、敵の兵器が完成する前の時間にタイムスリップし、歴史を変えるため「自分自身」を盗むことにする。
敵の兵器が完成する前であれば打つ手がある。
見事敵を撃破し、ルパンは自分自身を盗み出し、相棒が生存している未来を勝ち取った…
そんな話です。
タイムスリップという手段はルパン三世史上でも、とんでもな手段ながら、スケールが大きい盗み。
そしてルパン三世にとっての一番のお宝は相棒(仲間)という、少年漫画のような話ともとることができるし、盗み出したものは「ルパン三世」本人であることから、それを超えるものはないとも考えられる。
突然ですが、ゴエキキでの「お宝」って思いますか?
ルパン目線で、盗み出す(助け出す)という観点では「五ェ門」になりますが、そもそも敵の目的はルパン三世の命だった。
五ェ門が命をかけて守ったのは、自分のプライドともとれるし、ルパン三世の命ともとれる。
一言でいうと…
ルパン一味エモい
うまく言えませんが。
ルパン一味と、ルパン三世本人も。
ゴエキキも、Yルパンの最終回も、同様のエモさがあると感じるのです。
ゴエキキは、「石川五ェ門という男」の物語の、ある種の最終回であると考えます。
それのルパン三世版が、このルパンYの最終回だと考えます。
終わりのシーンも、俺たちの冒険はまだまだ続く…というような前向きで、でも国外逃亡のように遠くに行ってしまう感じでない。
個人的に「ルパン三世」という物語の最終回としてはなかなか完成されていると思うのですよ。
最終回自体はあまり長い話ではなく、サクッと読めますので、気になる方は是非最終巻だけでも読んでみてくだされ…!
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