まだ新年会の時期で、
「日印協会」の新年会で語られたことが
今日は話題を呼んでいます。
森元首相が発言するたびに
批判を浴びることが多いですが、
今回も同様です。
しかし、民主主義であれば、
少数意見にも耳を傾けるべき。
今回の発言にも「賛否両論」
公正に考察してみます。
森元総理:
「こんなにウクライナに力入れちゃっていいのかなと。
どっちかが勝つ負けるっていう問題じゃない。
ロシアが負けるってこと、まず考えられない。
そういう事態になれば、もっと大変なことが起きる」
森元総理はこのように述べたうえで、ロシア側とのパイプの維持を念頭に
「その時に日本が大事な役割を失ってはいけない。それが日本の仕事だ」
と指摘しました。
「今のロシア問題もそうだ。
せっかく(日ロ関係を)積み立てて、ここまで来ている」
として、ウクライナに肩入れしすぎれば日ロ関係が崩壊しかねないとの認識を示した。
森元首相が発言したのは、
日印協会の会合の場
有力な在日インド関係者が
大勢参加しているという前提条件です。
そして、現在の日印協会の会長は
菅義偉前首相
会合には出席しています。
批判するコメント
まず本当にロシアは負けないのか?
通常兵器では欧米に劣るだろう。
となると、核兵器の使用しか活路はない・・・
ドイツは単独でのレオパルト2供与はしたくなかった。
アメリカがエイブラムスを供与するというバックボーンを得て供与を決めた。
日米安保条約上、日米は歩調を合わせ、インド関係者にこの件についてコメントすべきではない。
日本は北方領土返還、樺太復帰ということもそろそろ視野に入れていくことも必要。
樺太が戻れば欧米メジャーも樺太ガス開発に復帰できる。
間宮林蔵の苦労がようやく報われる。
第二次大戦終結まで居住していた島民も帰ることができる。
いかにロシア国内を分断させ、核兵器を使わせないまま民主化していくかもポイントになる。
評価するコメント
森氏のこの発言は、「日印協会」開催の会合での発言。
ウクライナ支援に積極的でないインドの関係者が多く出席している会合。
日本における最大のインド支援者である安部元総理が亡くなった後の最初(?)の会合である。新たな日本側の支援者を探しているだろうインドの人々に対して、本心はどうあれ、「私もインド政府のやり方を支持する」と明言したわけだ。
日本側がこの発言を批判すればするほど、インドの人からの森氏の受けは良くなる。今後、日印の交流のカナメとなることができるかもしれない。
インドは今後の日本の政治・経済・安全保障等の関係においてアメリカに次いで重要となる国である。
問題発言の多い森氏のことは好きではないが、相手の懐へ捨て身で飛び込んでいけるこの人の政治センスは凄いと思う。
「評価するコメント」への
反応は厳しいですが、
日印関係と日印協会について
少し調べてみました。
大隈重信先生、渋沢栄⼀先生をはじめとする方々によって日印協会が設立されたのは、その翌年の明治36 年(1903 年)のことでした。
1957 年、インドは国賓として当時の岸信介総理大臣をお迎えしました。
今回の安倍首相訪印で何より印象的だったのは、インド側の大歓迎ぶりである。到着地となったアーメダバードの空港には
モディ首相が直々に出迎えてハグを繰り返した。安倍首相は、インドの政治家が良く着用するクルタとネルー・ジャケットに着替え、両首相と明恵夫人はジャスミンとマリーゴールドの花で飾られたジープのオープンカーに同乗してパレードした。町までの沿道では、グジャラートの人々が多数並び、日の丸の小旗が振られた。筆者の長年の経験では、天皇、国王(女王)といった特別の元首の訪問でもない限り、
首相が出迎えて一緒にオープンカーで行進するということはほとんどないから、今回の歓迎は破格といってよい。
日本からの経済協力や投資、そして安全保障面での協力(中国の牽制を含む)など、ここ数年の日印関係は画期的に進んでいる。特に、
安倍首相とモディ首相のウマ(英語で言うChemistry )はよく合っている。
森首相とヴァジパイ首相が開始した「日印グローバル・パートナーシップ」は、その後、
小泉首相とシン首相によって「戦略的グローバル・パートナーシップ」に格上げされた。安倍首相とモディ首相は、さらに
「特別戦略的グローバル・パートナーシップ」に格上げしたのであった。「特別」という形容詞は、モディ首相によれば、日印が仏教を縁(えにし)とした精神的絆で結ばれていることを示すのである。両国の親密ぶりを示す演出、マスコミの言う「絵になる」光景であった。
私はこのたび、故安倍晋三前会長の後任として、日印協会の第9代会長に就任しました。
この歴史ある協会の会長は大役であります。しかし、20年以上会長を務められた森喜朗元総理と安倍晋三元総理の後任会長ということで、これはお受けしなければいけないと思いました。
新聞テレビの論調では、森元首相がまた
失言をしたように仕向ける意図も感じますが、
筆者が、今回考察してみて、
(勿論私自身の偏りは認めますが、)
至極真っ当な、首相経験者の練れた挨拶の一面があるように考えます。
コロナ禍以降、
世界は、グローバリズムのG7と反グローバリズム諸国に分かれました。
戦後の日本は、
敗戦国のハンディを負いながら、必死に欧米先進国に追随して、努力が実って先進国入りを果たしました。
しかし、ダボス会議が世界を差配するようになり、世界の大国が分裂する時代に入ってきています。
ロシア、中国、そしてインドがグローバリズムから外れ、ブラジルも一旦外れたが、大統領選で再びグローバリズムへ戻るのか。
経済成長を担うBricsが各国愛国主義の路線でいくならば、今後の世界はかなり流動的になってきます。
政治も外交も、善悪・白黒という世界ではなく、状況次第で対応しなければいけないならば、
森元首相が日印協会で挨拶した内容は、失言どころか、首相経験者として、しっかり役割を果たしたものだったと言えるでしょう。
ウクライナ支援が高じて、ロシア敵対姿勢が強まれば、我が国の防衛が厳しくなるのは必然。
以前から防衛筋はこのパターンを恐れていました。
ロシアがウクライナ侵攻に踏み切ったことで
日本にとって中国、北朝鮮だけではなくロシア軍の動向も主要な脅威として再浮上してきた。これまで自衛隊は軍事的圧力を強める中国を念頭に南西方面に防衛態勢をシフトしてきたが、
北方も注意が必要な状況だ。
「ロシアの怖さを改めて意識した。自衛隊は中国、北朝鮮と合わせ、
3つの正面に備えなければならない」
日本の燃料である天然ガスは100%輸入
その8.6%はロシアからの輸入
比率は小さく見えますが、
今後のシーレーン防衛に支障が出れば即大打撃となる。
これまでサハリンで共同開発してきた基盤を失うことは避けたいところ。
ドイツ政府は、再開はされたものの供給量はおよそ60%削減された状況が続いていると発表していて、全面的な再開にはなっていません。
ロシアのプーチン大統領は6月30日、日本企業も参加する極東での石油・天然ガスの開発プロジェクト「サハリン2」について、事業主体をロシア企業に変更するよう命じる大統領令に署名。
天然資源に乏しい日本にとっては、「サハリン2」の問題だけでなくドイツ国内のエネルギー事情がどうなるかも、
今後のエネルギー安全保障に大きな影響を与える可能性があるのです。
岸田首相が、今回の外遊前に、
ゼレンスキー大統領からウクライナ訪問を要請されたが、「検討したい」と言って、しなったのは賢明だった。
今の日本は、政治外交でも、資源外交でも、
この一国と頼れる国はなくなりました。
虎視眈々のC国が目の前にあって、
頼り切れない日米基軸では・・・・
せめて、軍事大国ロシアとの敵対関係は避けるのが妥当でしょう。
森元首相が考えて発言したことは、
大きな意味があると思います。
賛同される方は多くないかもしれませんが、
それでも、こんな考え方もあるという一例として、
あえて今回の記事にさせていただきました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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