最近の投稿で、オランダの「農民一揆」のことを扱うようになりました。

ここでオランダとEUの関係性が出て来ます。

 

このEUについては、提唱者が日本人とのハーフであり、日本の国際関係、外交にも絡んでいる要素がありますので、今回グローバリズムのヨーロッパ版「EU」について、ウィキペディアを利用して、整理してみました。

少し長くなりますが、ご関心がある方は、ご参考にして頂ければ幸いです

 

ヨーロッパ連合の提唱者たち

リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギー(1894-1972)は、1923年に汎ヨーロッパ主義(パン・ヨーロッパ主義)を提唱し、国際汎ヨーロッパ連合のマニフェストを出版したのが最初である。

・フランスの文豪ヴィクトル・ユーゴー(1802年~1885年)は、1849年にヨーロッパ合衆国の概念を提唱した。

ウィンストン・チャーチル(1874年~1965年)は1946年に欧州評議会の創立を訴えた。

「クーデンホーフ=カレルギー」の生い立ち

・リヒャルト・ニコラウス・エイジロ・クーデンホーフ=カレルギー(日本名:青山 栄次郎〈あおやま えいじろう〉は、伯爵一族クーデンホーフ=カレルギー家の人物で、日本の東京で生まれたオーストリアの国際的政治活動家。汎ヨーロッパ連合主宰者。

・父はオーストリア=ハンガリー帝国駐日特命全権大使のハインリヒ・クーデンホーフ=カレルギー伯爵。母は日本で、ハインリヒの大使公邸の使用人をしていた東京・牛込出身の日本人青山みつ(クーデンホーフ=カレルギー・光子)。父ハインリヒが在日中に、みつ(旧名)と出会い、日本で結婚。クーデンホーフ=カレルギー夫妻の7人の子の次男として1894年に東京府に生まれる。一家は1896年に日本を離れ、父親の故郷オーストリア=ハンガリー帝国へ行き、ロンスペルク城で兄弟姉妹とともに育つ。

・父の家系はボヘミア貴族の一つ。


「クーデンホーフ=カレルギー」の生涯

・1923年、最初の妻イダの資金で汎ヨーロッパ社を設立し、1924年に発刊した同社の機関誌『Paneuropa』(汎ヨーロッパ)にてジャーナリスト・編集者として働く。

ナチス・ドイツに弾圧され、1939年の春にフランス共和国の市民権を取得した。以後、終生フランス国籍である。

・第二次世界大戦後、1946年にヨーロッパへ帰り、スイスの山岳リゾート地グシュタードに入った。大戦で不遇をかこった、旧知を含む欧州各国の政治家らと交流するなどして、汎ヨーロッパ主義への賛同を広げることに努めた。1967年には生まれて間もなく離れた日本へも帰郷し、勲一等瑞宝章を受勲した。

クーデンホーフ=カレルギーと「フリーメーソン」

・リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギーは友愛団体フリーメイソンリーの会員。中央ヨーロッパ、フランス、英国、米国のフリーメイソンリーと接触を続けた。

・彼は1926年にロッジ「人道」を辞めた。パン・ヨーロッパ運動とフリーメイソンリーが関係しているという批判が当時あったからである。

・クーデンホーフ=カレルギーが汎ヨーロッパ運動を開始すると、ヨーロッパ各地のフリーメイソンリーが彼を後援に招くなど汎ヨーロッパ運動を支援した

クーデンホーフ=カレルギーの「思想」と支持者

・名誉、金銭、生命を犠牲にして平和を勝ち取るという彼の戦闘的な平和主義や、「新しい貴族」(精神貴族)によるそれらの実践的理想主義は、ヨーロッパで大部分の平和主義者からの支持を得るまでには至らなかったが、若い平和主義者からの支持を得ることができた。

・1919年のある日、クーデンホーフ=カレルギーは地球儀を眺めて世界のブロック化に思い至った。

・欧州の統合を目指したクーデンホーフ=カレルギーが、欧州統合の先に目指すところは世界が1つになること、世界連邦である。世界連邦に至る過程において、世界の諸地域は5つの地域国家群(ブロック)に分けられ、それは「ヨーロッパ」(植民地含む)と「南北アメリカ」「東アジア」「イギリス連邦」「ソビエト連邦」であり、最終的に世界連邦を形成するのである。

・クーデンホーフ=カレルギーは世界連邦運動をアインシュタインバートランド・ラッセルらとともに提唱し、世界連邦建設同盟(World Federation Movement)が発足した。

支持者は、当時の著名な政治家・文化人で、フリーメーソンユダヤ人が多数を占めていました。

クーデンホーフ=カレルギーと「鹿島守之助」

・クーデンホーフ=カレルギーは東南アジアに関しては、ヨーロッパ・オランダの植民地であったインドネシア(オランダ領東インド)を「汎アジア」ブロックが実現したならばそちらに差し上げてもよいということを1925年に日本の外交官永富守之助(鹿島守之助)に言っていた。クーデンホーフ=カレルギー「5ブロック」構想の一角「東アジアブロック」において日本は既に台湾や朝鮮半島を植民地化していた。 

クーデンホーフ=カレルギーを取り巻く「人」と「政治」

・クーデンホーフ=カレルギーはカトリックのキリスト教徒として育てられた。

ユダヤ系の俳優イダ・ローランと結婚したクーデンホーフ=カレルギーは、第1回汎ヨーロッパ会議が開催された1926年に、ユダヤ系メディアのインタビューに対し、彼の汎ヨーロッパ運動によりヨーロッパのユダヤ教徒に特別な支援をする意思を表明し、またヨーロッパ合衆国はユダヤ教徒に有益であり、民族的憎悪と経済的敵愾心をなくすであろうと言った。

・クーデンホーフ=カレルギーはナチスの民族的ナショナリズム・ゲルマン民族至上主義を批判した。

・クーデンホーフ=カレルギーの分析によると世界で4つの文化が形成を開始し、その4つは、ヨーロッパ、イスラーム、インド、東アジアに分類されている。

1933年ヒトラーがドイツ首相に就任し(1月)、汎ヨーロッパの書籍はドイツで禁止され、焚書(焼却)となり、汎ヨーロッパ連合のドイツ支部は解体された。

1943年の第5回汎ヨーロッパ会議は亡命中の米国で行われ、チャーチルが参加した。

鹿島守之助と「鹿島平和研究所」

・日本の外交官永富(鹿島)守之助(1927年に鹿島建設の鹿島一族へ婿入り)は外交官の卵であった1922年にドイツの首都ベルリンに赴任してクーデンホーフ=カレルギーの「汎ヨーロッパ」の論説に感銘を受けた。永富は在ドイツ大使本多熊太郎の紹介でクーデンホーフ=カレルギーと知り合うことが出来た。クーデンホーフ=カレルギーは、世界平和の実現のため、無力な国際連盟の基礎として世界の5大地域が必要と永富に言った。

・クーデンホーフ=カレルギーは永富に「汎アジア」を進言し、汎アジアが成立したら友情のしるしとして汎ヨーロッパ側に必ず要するわけではないオランダ領東インド(インドネシア)を(汎アジア側に)差し上げると言った。永富はクーデンホーフ=カレルギーに『汎ヨーロッパ』の翻訳を依頼され、1927年に国際連盟協会から日本語版を出版した。

・鹿島は1957年、クーデンホーフ=カレルギーの思想に則し、汎アジア構想の具体化のため、国際的平和と安全の研究機関「鹿島研究所」(1966年から財団法人「鹿島平和研究所」)を設立した。

原発=鹿島建設=中曽根康弘

・日本における最初の原子炉となる日本原子力研究所第1号原子炉を建設したのは鹿島建設である。

・鹿島の役員たちは揃って原発への参加に反対していたが、鹿島守之助は原発に熱心であり、鹿島建設は福島第一原子力発電所事故が発生した2011年において日本に54基ある原子炉のうち20基以上を手掛けるまでに至った。鹿島守之助の孫・渥美直紀(鹿島建設役員)は、中曽根康の次女・美恵子(NHKアナウンサー)と1974年に結婚した。中曽根康弘は原子力予算提出第5次吉田内閣)、原子力基本法第3次鳩山一郎内閣)、第7代原子力委員会委員長(第2次岸内閣)など原子力の導入関与した。

鹿島守之助は12月に『電気協会雑誌』において、原子力の平和利用により核兵器の製造能力をも有する日本は、中華人民共和国に対抗すべく、技術力、科学力、経済力を絶えず養わなければならないのであると言っている。

鳩山家との関係

・汎ヨーロッパ運動主催者であり、また友愛団体フリーメイソンリーの会員であったリヒャルト・クーデンホーフ=カレルギー伯爵は、「Brüderlichkeit」(ドイツ語。ブリューダーリッヒカイト)すなわち「友愛」を思想として提唱した。

・各国語に翻訳された本書は日本で元首相鳩山一郎への影響を強く与えた書籍であり、歳月経過後に鳩山が日本語版を書いた(翻訳用テキストは英語版)。

クーデンホーフ=カレルギーが目指す「友愛」革命

・クーデンホーフ=カレルギーは、自身の描く社会や国家になるには、教育改革により、全人類が兄弟姉妹になり、全人類が同一の「神」の子(「神の子」も参照)にならなければと考えた。そのために必要なのは、友愛という名の、心の革命であるという。

・「自由、平等、友愛」のためのフランス革命には、自由の革命はあれど平等と友愛の革命はなく、自由と平等は依然対立しているが、誰もが望むような経済的平等は自由と対立しているようでは無価値である。

・クーデンホーフ=カレルギーは同時代の政治家アドルフ・ヒトラーと対立し、批判していた。また同時代の政治家ヨシフ・スターリンの批判もしていた。

訪日・帰郷 勲一等瑞宝章授与

・クーデンホーフ=カレルギーは1967年に訪日した。彼にとってこの訪日は、東京で生まれて以来、71年ぶりの日本への帰郷であった。昭和天皇と香淳皇后に謁見し、皇太子明仁親王と美智子妃も接見した。

・クーデンホーフ=カレルギーは昭和天皇に個人として謁見し、勲一等瑞宝章を授与された。クーデンホーフ=カレルギーを日本に招待した関係者のうち鹿島守之助と鳩山薫(鳩山一郎夫人)の2人は1966年に勲一等瑞宝章を受勲した。

母・光子(みつ)との関係

母・光子(みつ)はリヒャルトが幼い頃、『桃太郎』などの日本の童話を読み聞かせた。

1906年に夫のハインリヒが急逝すると光子がクーデンホーフ=カレルギー家の当主となった。

・リヒャルトはウィーン大学に在学中、光子に同行した社交場で俳優のイダ・ローランと知り合ったのであるが、リヒャルトと光子との関係はイダとの結婚で悪化した。光子は日本の古い考えがあり、芸人を蔑視していた。平民とはいえ大地主の商家である青山家に生まれ、伯爵家に嫁ぎ、上流階級として面子があるクーデンホーフ=カレルギー家の当主・光子は、栄誉ある大女優イダを侮蔑して「河原乞食」と言い表し下流扱いをした。

母・光子(みつ)の試練と皇室の庇護

・光子もまた、かつて自身がハインリヒと結婚するという時に、外国人と結婚することを望まなかった父母から一時勘当され、後に結婚は承諾された。ハインリヒ側でも、貴族と平民の身分違いもさることながらハインリヒは外交官であるので任地の女性との結婚が許されず、その件でハインリヒはタイ王国の首都バンコクへ転任。この結婚はヨーロッパの外交官としては前代未聞であった だけでなく、ハインリヒの父フランツが反対していた。

・光子はハインリヒと結婚して日本を離れる際に昭憲皇太后(明治天皇の皇后)に拝謁し、1931年に高松宮夫妻と謁見した。光子は日本大使館からの庇護を受けていたので、リヒャルトの母であってもナチス・ドイツからの迫害は受けなかった。

鳩山家と友愛精神

共立女子学園の校訓「誠実(自己を律することができる)、勤勉(何事にも意欲的に取り組める)、友愛(他人の痛みがわかる)」のうち「友愛」とは、クーデンホーフ=カレルギーの友愛精神から来ているもので、1967年に共立学園理事長で友愛青年同志会会長の鳩山薫(一郎夫人)がこの校訓を追加した。

鳩山由紀夫の「友愛」思想も祖父一郎を介してクーデンホーフ=カレルギーの思想から影響を受けている。

クーデンホーフ=カレルギーと創価学会

・クーデンホーフ=カレルギーは世界平和の実現のため、仏教に、創価学会に希望を抱き、1967年の訪日(帰郷)では創価学会の池田大作会長との会見を強く求めた。鹿島、NHK、友愛青年同志会の関係者一同は創価学会への接触には反対していたが、クーデンホーフ=カレルギーはそれには構うことなく、1967年10月30日に会談を実現した。

・会見は1970年東京都においても行われ、延べ十数時間の対談となり、クーデンホーフ=カレルギーが語った日本が成すべき世界平和実現・新たな太平洋文明の発展・平和思想としての仏教の発信、それらの考えは池田に印象を残した。

『EU』のグローバリズムと反グローバリズム

グローバリズムと反グローバリズム(ナショナリズム)が世界でも日本でも取り沙汰されるようになってきました。

グローバリズムの流れは、世界が自由に交流して、豊かな社会を構築していくために必要な道だと考えられました。

 

しかし、ここ2~3年間、今までの常識では理解を超える状況になっています。

オランダ「農民一揆」など、政府が国民・農民を考えているとは思えない側面があります。

グローバリズム=EUですから、EU自体が何を考えているのか、創設前後の原点に一度考察を試みる価値があると思い、今回はWIKIPEDIAを参考にして簡潔にまとめてみました。

 

EU提唱者「クーデンホーフ=カレルギー」と「日本」の深い絆

EUの提唱者が日本人とハーフの人であることを数年前に知った時は、驚きを覚えました。

最近、アメリカ、ヨーロッパ、ロシア、その他全ての国で、「グローバリズム」に関する軋轢が生じて、日本も例外ではなくなりました。

 

この問題の本質を知るためにも、今回のテーマを取り上げてみました。

EUは地球の反対側、日本とは縁遠い存在に感じられますが、提唱者クーデンホーフ=カレルギーを通じて、日本の有力な政財界人、皇室との深い関係を再確認することが出来ました。

彼の思想は日本にも深く根を下ろして、原発関連、外交にも大きく影響を与えています。

こうした構図も頭に入れて、今後の世界と日本の方向性を見据えていく必要があると感じました。

 

「グローバリズム」の源流を知り、今後の動向を探る

クーデンホーフ=カレルギーというグローバリズムの頂点にいた人物は日本人の血が入っていた。

また、ヨーロッパ貴族の血筋と、結婚した妻がユダヤ人であること、フリーメーソンとの交流と支援があったこと、すべてが彼の思想に影響を与えています。

今後の世界の課題も、「ダボス会議」「グレートリセット」「グローバリズム」ということが明確になりました。

このテーマを「クーデンホーフ=カレルギー」という人物に焦点を当てて探求したことは、今後の日本の動向を探るうえで参考になるかと考えます。

 

 

長文をお読みいただきありがとうございました。